日産 ゴーンさん逮捕に思うこと

f:id:plastic-soul:20181129171651j:plain

画像は往年のS13シルビアだけど、R32スカイラインでも、初代プリメーラでも何でもいい。とにかくこの頃の日産は名車揃いだった。神かかっていた。それが、バブルの末期になってそれまでの日産が嘘のようにかっこ悪いクルマを乱発して倒産、ルノーに救われたというべきか、乗っ取られたというべきか、その辺の詳しい事は分からないが、ゴーンさんが出てきて、それからの経緯はご存知の通りである。
今回の逮捕劇、かなり衝撃的なニュースで賑わっているが、現時点で気になるのが、ほとんど一方的な日産の主張や検察からの情報で、被疑者のゴーンさんの主張が聞かれない。ゴーンさんの違法行為とか強欲とかの情報がメディアから一方的に溢れ出ている。こういうことになると、やはり思ったとおり、日本の異常な司法制度が世界中にさらされる。最初フランスでもゴーンさんの逮捕はショックを伴って受け止められたが、最近では日本の異常な司法制度に懸念を示すニュースがでているそうだ。そりゃそうだ。まだ有罪と裁判所で決まったわけでないのに、自由の効かない場所にぶち込まれ、ほとんど罪人の扱いで、罰を受けているも同然だ。推定無罪の原則がこの国にはない。

まるで中国のようだと海外から揶揄されているが、全くその通り、北朝鮮のことも笑うこともできない。

ネット民の意見は、フランスや他国からの日本批判に対して、他国のことにつべこべ言うな!的な乱暴なコメントが多い。感情的と言うか、この国で起こった事件だから、この国の制度で裁かれるのが当然だと。それはそうだけど、まるで言っていることが中国みたいじゃないか。

フランスはなんだかんだ言っても、はるか昔に民が自分の国の支配者をギロチンにかけて首をはねて、自らの自由を獲得した国。年期も実績もなにもかも日本より大先輩なのだ。

ゴーンさんが違法か、そうでないかはもちろん自分では分からないし、どちらでもいい。日産の陰謀だとかクーデターとか、そんなことはどうでもいい。

俺はゴーンさんは好きではない。無慈悲なリストラで従業員も下請けの多くの会社が犠牲になった。今の日産の体力が回復したのも彼の手腕のおかげなのは言うまでもないけど、日産のクルマがつまらなくなったのはクルマ好きとしてはとても複雑な気分だ。

でも、人権というどんな身分の人でも平等にあるべき最低限の権利が侵されるこの日本という国の異常さは、僕のような法学部を出ていない人間でも分かる。一度起訴されたら有罪判決率9割という異常さ。特に、今回ゴーンさんという世界的な経営リーダーが逮捕されたことで、ことさらこの国の司法の異常さ、恐ろしさが世界にさらされ、恥をかく。