下諏訪温泉 遊泉ハウス児湯

Koyu

鹿教湯温泉の湯を楽しんだ後、「マルメロの駅ながと」という道の駅で長旅の愛車キャラバン号を休めた。この道の駅は温泉施設もあり、コンビニもあり、商工会の施設やなぜか服飾店もある。さらになんと居酒屋まであるという、かなり充実した設備のある道の駅で、駐車スペースもなかなか広い。ちょっと設備が整いすぎて若干落ち着いて眠れない所もあるが、連休にもなるとキャンピングカーやハイエースが多く泊まっていて以前から気になっていた。
その居酒屋でビールをひっかけ、そしてクルマに戻って諏訪の名酒「真澄」を味わった後、眠りについた。
早朝5時に起き、有料道路の新和田トンネル(諏訪にはこの新和田トンネル、松本や塩尻方面には三才山トンネルなどいずれも24時間有料道路がありどうも腑に落ちない。また、鹿教湯と別所を行き来するトンネルも有料だったり、生活道路だと思うのに、まるで上田に行かせないかのような有料道路だらけの長野県の道路事情はいったいどうなっているのか理解に苦しむ)を抜け下諏訪温泉の朝風呂に出掛けた。下諏訪の公衆浴場は早朝5時半から開いている。以前訪れた「湖畔の湯」も5時半から開いているが、地元のお客さんで早朝にも関わらずにぎわっていた。
今回利用したのは「遊泉ハウス児湯」という銭湯。こちらも早朝にもかかわらず多くの地元の方で混んでいた。けっして新しくないが設備は整い、どこも小ぎれいにされているし、番台さんの大きく明るい「おはようございます」の挨拶は気持ちよく、この銭湯を管理する人もお客さんもどれもすごく良心的なものだと分かる。このような”当たり前のような良さ”というのが今まで私はいろいろな公衆浴場や温泉施設を訪れたけど、意外と少なかった。しかし、諏訪の公衆浴場はこの当たり前なのが自然と存在しているのが良い。
さて、その温泉、さすがに下諏訪の湯は熱く寝起きの体をしゃきっと覚まさせる。内湯は大変熱いが、小さな露天風呂はややぬるく長風呂はこちらか。休憩所もあり、なぜかひっきりなしに演歌がBGMで流れていた。
諏訪湖が見渡せる古き良き桜並木の通りにこの銭湯はあり、すぐ隣には諏訪大社秋宮がある。早朝6時にも関わらず街の人たちが総出で溝掃除をしていた。温泉と人々の日常生活がこの朝風呂で垣間見れたようで、普段人間関係の希薄な団地の地域社会に生きている私にはなんだか新鮮だった。
いずれにしろ、諏訪は私の好きな街の一つだ。街の中心には諏訪湖があり、大きな観光ホテルが囲み、近代的な商業施設もそれなりにある。それと同じくらいに古い街並みと静かな暮らしが残されていて、周りは長野の大自然が囲む。長野の冬は寒いだろうけど、湖があるから諏訪はそれほどでもないだろう。夏は暑い盆地の地形だが、これも湖があるからそれほど暑くないのかもしれない。そしてなにより日本でも有数の源泉豊富な温泉地が上と下と2つもある。暮らしやすそうだし、自然と遊ぶにも事欠かさない。いつ来ても諏訪の人たちをうらやましく思う。