紀伊山地の湯巡り 十津川温泉郷 温泉地温泉

Takinoyu

先日は久しぶりに日本を代表する秘境、奈良県十津川村から和歌山の本宮温泉郷へと国道168号線を南下して温泉の旅をしてきた。その面積のほとんどを山林が占めるという日本一大きな村。十津川を縦断する国道168号線はところどころ対向が困難な極端に細く曲がりくねった道。一方はいつ崖崩れが起きても不思議でない絶壁と一方は落ちたら一巻の終わりのダム。毎年何人かが事故や災害で命を落としているという?危険なそんな国道(年々改良工事で良くなっている)を命がけで進むと奈良県で唯一の高温自噴泉、近畿でも5本の指に入る十津川温泉郷の一番北に当たる温泉地温泉(とうせんじおんせん)に到着。十津川温泉は北からこの温泉地温泉と十津川温泉、そして上湯温泉の3つからなるが、一番北に位置する温泉地温泉はいかにも山の出で湯らしい硫黄の香りがすばらしい。やはり硫黄泉は温泉ファンにはたまらないのだ。その温泉地温泉には泉湯と滝の湯の2つの共同湯がある。以前も滝の湯を利用したことがあり、特にその滝の湯はその名の通り滝が見える情緒豊かな露天風呂があるのだが、昨年その滝の湯が改装されたというので、再び利用した。地元十津川が誇る大森林から伐採された木材をふんだんに使っているのだろうか、以前訪れた時より遙かに新しく良くなっている。特に内湯が新しく改装され、体を洗うスペースやシャワーが増設され近代化された。しかし、滝の見える名物の露天風呂はそのままで、十津川の大自然を満喫できる秘湯の雰囲気は残されているのはうれしい。

肝心の湯も日本で初めて”源泉掛け流し宣言”をしただけのある十津川の恵まれた高温自噴泉、特にここの温泉地温泉の単純硫黄泉は健在で、まさに山の出で湯の王道と言える。夏になれば多少加水されるほどの恵まれた高温泉は長くはつかれないが、日本屈指の秘境、十津川を旅した体の疲れを一気に吹き飛ばしてくれる。