日産ティーダ 走りについて

Tiida3

納車されてから1週間ほど経ち、街中から高速まで、一応走ってみたので、インプレッションを綴ってみる。もちろん、登場から5年が経つモデル末期であるため、プロやユーザーなどあらゆる場所でティーダの走りについては語られているが、あくまで平成21年式後期モデルのティーダとして参考にしていただければと思う。
このクラスのクルマにしては高級感の内外装があり、またそれが売りなティーダだが、肝心の走りは最近の1500ccクラスとしては落第点だと思う。それはデビュー当時から指摘されている乗り心地の問題である。
まず、動力性能はもちろん申し分ない。最新のHR15DEエンジンは充分なトルクで、日産お得意のCVTはうまくセッティングされ熟成されている。スムーズでほとんどアクセルを踏まなくてもパワーが盛り上がり、低い回転数で巡航する。やや急加速など、深めにアクセルを踏むとウォーンと唸るエンジンはマイナス点だが、このクラスのクルマであればある程度仕方ない。静粛性は抜群で、一昔ならかなりの高級車であっても不思議じゃないくらいだ。この辺りはさすがプレミアムコンパクトカーであるティーダだ。
残念なのがその問題の乗り心地。マーチやノートと共有するBプラットフォームシャシーのポテンシャルの低さだろうか、足回りの問題だろうか、比較的コツコツと路面の凸凹を拾い、サスが吸収することなくそのままシャシーやボディを振動させる。良い舗装路なら問題無いが、古く痛んだ道だと常に小さな縦揺れが連続して起こり不快だ。高級感あるティーダのキャビンにいると、この安っぽい乗り心地は余計に際立ち実に残念だ。
それでも後期モデルは初期モデルと比べてかなり改善されたそうだ。もちろん、シャシーや足回りの根本的な問題なので、全て改善するのは不可能だろうが、これはフルモデルチェンジ以外では無理だろう。
かつての日産は例えばサニーなど、このクラスでもマルチリンクサス等けっこう凝ったメカニズムの足回りをおごり、実にまじめなクルマ作りをしていた。私も初めて買った車がサニーのクーペモデルであったし、その後ルキノやラシーンなど、同クラスの日産車に乗っていて、一クラス上のような確かに良くできた足回りだった。そういう点では、最近の日産はかつての良き部分が失われた感がある。そこまでユーザーが求めていない、または分からない部分を削り、ある程度の割り切りがあったのだろうか、それとも内装や燃費の向上に偏り、走りの部分がおろそかになっていたのだろうか。
とにかく。エンジンやミッションの動力性能はティーダになって、もはや全くの欠点の付けようがないくらい完成され、鮮麗されているが、足回りは退化してしまったと言ってもいいくらいだ。
ハンドリングは、電動パワーステアリングによるものが大きい。初期の電動パワステはとても不自然だったが、最近の電動パワステは各社とてもよく調整されている。ティーダも大変良くできていて、街中など低速時には軽く取り回しが良く、高速走行などは重めにしっかり感があり、直進安定性も問題ない。最近のコンパクトカーはほぼ電動パワステになっているが、ほとんど技術的に完成されているなと思った。この電動パワステティーダの欠点とも言える足回りの酷さをある程度フォローしているなと運転していて思った。
もちろん、以上の事は他の人がティーダを購入するにあたって特別ネガティブなものではない。買うことを断念するほどでもない。人によっては全く気にならないことかもしれないし、逆に言えばそのような乗り味が自然で好感を持てるものかもしれない。私はプロドライバーでもないし、特別神経質でもないが、実際にティーダの乗り心地に関しては多くのユーザーに指摘されていることで、今回私が購入して乗ってみて、その指摘はなるほど、その通りでよく分かった。後期モデルでかなり改善されているそうだが、プレミアムコンパクトカーたるティーダとしては、どちらかというとふさわしくない乗り心地が残念であるのは間違いないと感じた。
シャシーはいじりようがないが、例えば剛性強化パーツを付けるなり、足回りを換えるなり、タイヤをより良いモノに変えるなり、あとはユーザーができる範囲で改善する余地はあるだろうし、これもまたひとつの楽しみではある。

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