日産ティーダ インテリアについて

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日産のCMではないが、ティーダが世界で一番売れた日産車であるのは、そのモダンで高級感あるエクステリア、インテリアの評価が高いからだ。確かにその通りで、外観は人それぞれの好みがあるので、ここでは取り上げないが、少なくともフランス車ルノーを彷彿とさせる新しさがある。
特にこのティーダの売りは質感の高いインテリアにある。兄貴分のティアナゆずりのモダンで高級感あるインテリアは1500ccクラスにしては一クラス上のような雰囲気がある。ドアアームレストなどソフトな質感はこのクラスには珍しく、モダンなデザインがティーダの個性そのものだ。大きめな座面のシートでフカフカのソファのような座り心地はすばらしく、前後の大きなアームレストは同乗者だけでなく。ドライバーの運転がおろそかになるほどくつろげる。後席の広さはシーマ並だそうだが、コンパクトカーながらこの広さは特筆で、パッケージングは見事だ。後席がリクライニングするのも良い。

ある程度スポーティーさを求める私は今回ブラック内装を選んだが、本来客観的に見るとこのクルマにはベージュ内装がベターだ。より落ち着き、高級感があり、センスもある。特にカタログカラーのゴールドにベージュ内装はセンスの良い年配の方にぴったりだし、若いユーザーにはとても渋くてセンスを感じさせるチョイスだと思う。

ティアナ、ティーダなど一連の日産車はある意味、日本のクルマとしては極めて日本的なクルマなのかもしれない。ちょっと神経質な日本人を満足させる内装の質感。洋風をうまく取り入れながら、けっして欧米一辺倒ではない内装のデザイン。ラシーンやキューブのユニークなデザインと合せて、このティアナやティーダのコンセプトはある意味価値ある純潔なジャパニーズカーなのかもしれない。

さて、後期モデルは初期モデルよりさらに質感が向上したと思う。インパネなどのシルバー加飾、ホワイトメーター、燃費計の追加など、これ以上望むモノはない。
私は例えばメルセデスやレクサスのような豪華さには興味はなく、意味も成さない。でも、やはり乗っている時は外装より内装が常に目に入るものであり、また体で触れる部分であるから、ある程度質感は必要だと思う。私が最初クルマを購入する一番の候補だったマツダデミオが実際に乗ってみて、あまりにプラスティッキーで安っぽい質感がせっかくのエクステリアと走りの良さを覆い被せるくらい購入意欲を萎えさせてしまったのは大きい。
そういう意味でティーダは1500ccのクルマとしてはずば抜けている。1500ccとしては割高プライスなティーダだが、やはりこのインテリアはちょっとお高い価値は充分あると思う。
もはや陳腐化してしまったサニー、しかしながら日産の長い伝統を担ったビックネームたる”サニー”を捨ててまでモデルチェンジしたティーダはその大胆な外装デザインとモダンで質感高い内装が新しい日産の決意と意欲を感じさせてくれたし、今も色あせていないと思う。