北信州湯巡り旅 渋温泉

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野沢温泉から南に下り、中野市から志賀高原方面に行くと道沿いに渋湯田中温泉郷が左手に現れる。この道をさらに行くと他にも名高い温泉地があちらこちらに点在している。群馬県との県境にもなり、向こう側は万座温泉草津温泉四万温泉・・・、この地域に日本の有名温泉地が集中している。まさに日本最強の温泉地帯と言えるだろう。その長野県側の玄関口に、渋・湯田中温泉が存在する。今回訪れたのは9つの外湯で有名な渋温泉。その9つの外湯でもっとも名高いのが9番目の外湯「大湯」。独特な黄土色した濁り湯がこの大湯の特長で、鉄さび臭が印象的だ。同じ鉄さび臭でも伊香保温泉はやや緑ぽい濁り湯だったが、こちらはかなり黄色い土色なのがおもしろい。先に入った野沢温泉よりはるかに湯温は低い(ぬるいわけではない、それになり熱い)が、お風呂を出ると滝のような汗が止まらなかったのは湯の効能なのだろうか。しばらく肌から鉄さび臭が残っている。こんな特徴的なお湯はやはりここまで来た甲斐があると感じされる。実際に名湯は無色透明、無味無臭の単純泉が多いが、このようなお湯はやはり温泉に入っているという実感が強い。
近くには海外からの観光客が多く訪れる(特に欧米人が多い)野生の猿が温泉に入る地獄谷野猿公苑があり、特に最近著名な外国の日本旅行ガイドブックのお勧めスポットとして逆に日本でも話題になっている。細い通りに外湯と旅館が並ぶ情緒豊かな温泉街はいかにも海外の観光客を喜ばせる渋温泉だ。できたら旅館で1泊して、夜ゆっくり外湯と温泉街のそぞろ歩きを楽しみたいものだ。