群馬~長野 湯巡り① 万座温泉

Houkokukan

今年最後の3連休。愛車キャラバン号での車中泊の旅も今年は今回で最後となりそうだ。思い切って群馬は万座温泉まで出掛けることにした。ガソリン価格が下落してありがたい。普段は下道のみの旅も、今回は距離が長いのとETC割引が拡大しているので、部分的に高速も利用して向かうことにした。

前日は愛知県豊田市の稲武の道の駅で寝泊まりした。最近はもっぱらここがベースキャンプと化している。相変わらずハイエースやキャンパーなどの仲間達も多く寝泊まりしている。

内窓の結露が凍るほどの寒さの早朝6時半に出発。153号線をひたすら北上。塩尻ICから長野自動車道と上信越道を使い上田管平ICで下車。上田市の144号線から145号線で群馬県は吾妻へ向かう。

今まで車での旅は長野の上田に別所温泉に行くのが最長だったが、いよいよそれを超えて未踏の群馬県に入る。ほどなく右手に異様な光景が。噴煙を上げる浅間山が。これが浅間山だ。本当に自然のすごさというか、ちょっと畏怖の念を覚える。

その浅間山を背に万座ハイウェイを北上する。11月だというのに所々完全なアイスバーンの道となっていた。新品のスタッドレスで気合いをいれて来た甲斐があり、無難に万座温泉に到着。窓を開けると11月なのに早くも身を切るような冷たい風とともに硫黄の臭いが。

温泉街というより、ただのスキー場のリゾート地といった感じだ。今回利用した立ち寄り湯は豊国館。スキー場はまだオープンしていないので、スキー客はいない。かといって、ハイキングをするような季節ではもうないし、紅葉は終わり、かといって11月にしては早くも積もった雪のせいでスタッドレスやチェーンがなければ来れない状態。なので幸運にも客はおらず温泉は完全な貸し切り状態。豊国館はスキー客と湯治客のための簡素な宿だが、老舗のような歴史を感じさせる宿だ。¥500の入浴料で万座の強烈な硫化水素臭漂う白濁した湯を堪能した。他に客は誰もいない。しきりは全く無く、岩の裂け目から噴煙を上げる空噴と雪に覆われた万座の大自然を大パノラマに火傷しそうな源泉が広く深い木の浴槽に贅沢に注ぎ込まれる。白濁した湯はややエメラルドグリーンの色にも見え、なんとも神秘的だ。浴槽の縁には湯の成分がびっしりとこびり付き、指でなぞると牛乳のような乳白色の成分が溶けて漂う。入ったとたん乾燥肌のひび割れた箇所など、皮膚の弱った部分にぴりぴりとしみるような刺激が。ph値が低い強酸性湯は肌の刺激が強く、全ての細菌が死滅するほど。鼻には今まで経験したことのない強い硫黄ガスが感じされる。内湯はさらに熱く硫黄臭も強い。いろいろと温泉には入ってきたが、目にも鼻にも、そして肌にもこれほどの強烈なインパクトを与える温泉は初めてだ。さすがに有名な万座温泉。”温泉力”という言葉があるとしたら、万座温泉はまさにそれにぴったりのお湯だ。

こんな大自然の神秘的で強烈な万座温泉のお湯を独り占めできたのは本当に幸運だった。また必ず万座温泉には来たい。