乳白色の湯 乗鞍温泉

Norikura

先週の土日を利用して、キャラバン号でいつもの酒と温泉巡りの旅に出掛けた。

今回は初めて訪れる乗鞍高原温泉。お隣の白骨温泉には行ったことがあるが、乗鞍温泉は初めてだ。乳白色の湯に常々入りたいと思っていた。温泉好きに言わせると同じ乳白色の白骨温泉より乗鞍温泉の方が成分が濃く効能が高いそうで、評判がすこぶる良い。

利用したのは「湯けむり館」。木をふんだんに使った内湯と乗鞍高原の大自然が見渡せる石造りの露天風呂にはそれぞれ見事な乳白色のお湯が掛け流され、いかにも山のいで湯らしい硫黄の香りが漂っていた。

硫化水素型の単純硫黄温泉。しかも酸性泉だ。私にとってのベスト1の万座温泉と似たような温泉だが、活火山から強烈に熱い強酸性硫黄泉が注がれる万座のそれとは違い、乗鞍の湯はマイルドだ。酸性の度合い(ph値)も万座のそれより緩く、肌がピリピリするほどではない。湯の温度も熱すぎずちょうど良い。万座温泉の乳白色の湯はすばらしいが、ちょっと刺激が強すぎるので、多くの人にはむしろこの乗鞍温泉の湯の方がお勧めだ。

それにしても見事な湯ノ花。びっしりと風呂に乳白色の湯ノ花がこびりついている。そして硫黄の香り。天下の名湯といわれるのは一般に無色透明、無味無臭の単純泉が多いが、やはり温泉ファンには乳白色の硫黄臭ただよう湯が何より一番で魅力的だ。

乗鞍高原はまだまだ雪が残っていて、訪れた日はお客も少なくじっくりこのすばらしい湯を堪能できたが、シーズン中はそれはお客で混むそうだ。湯上がりは薪ストーブの休憩所がまた雰囲気が良く広くてとても快適だ。乗鞍の地ビールもあり、湯上がりにこのビールを飲んでくつろげばそれは極楽というものだ。

私の滋賀県からは万座よりこちらの乗鞍の方が近いので、客の少なそうな日を狙ってこれから通いたいと思うくらいの温泉だった。