ボンゴがマイナーチェンジ ディーゼルエンジン絶滅

Bongo

長らく日本の小型商用バンを努めるマツダのボンゴが一部改良された。1.8ガソリンエンジンがJC08モード対応の新型となり、内装はセンターコンソールボックスが新設された。マツダのボンゴは今や登場からかなりの年月が経つ最古参の小型バンであるが、まだまだ現役。三菱のデリカに、日産のバネットにと供給されていて、日本の小型バンの屋台骨と言っても過言ではない。トヨタが新型タウンエース、日産が新しいNV200バネットと次世代のバンをリリースする中、前者はインドネシア産のダイハツのクルマであり、トヨタは全くやる気無し、後者は低燃費エンジンと低床で設計の新しさを感じさせるが、ヨーロッパ向けで趣が異なるクルマであり、まだまだ大ベテランのボンゴは日本の職人さんに必要な存在で、引退するわけにはいかないようだ。設計はかなり古いが、何度も改良されて、今や熟成の極み。コンパクトボディながら最低限の衝突安全性、積載性、そしてシンプルで好感持てるデザインは”日本の小型1BOXバンの完成型”だと個人的に思っている。

新しいL8型1.8リッターガソリンエンジンについて詳細は私はよく関知しないが、同排気量の前型エンジンよりJC08モードで燃費が上回っているのを見るとかなり進化したエンジンだと思われる。従来型はディーゼルエンジンの評判は良かったが、ガソリンエンジンのそれは芳しくなかったので、今度の新しいガソリンエンジンは注目であり期待される。

さて、同時に残念なのはその評判の良いディーゼルエンジンが無くなったこと。世界的にも最も厳しい新しいディーゼルエンジン規制、ポスト新長期規制に対応できなかったのか、対応するほどのコストがかけられない、その必要性がもはや無くなったのか(個人的には後者が現実的だと思う)、いずれにしろ、この1BOX小型バンクラスにディーゼルエンジンがついに絶滅してしまった。

いくら小型ボディにしろ、現実に職人さん、業種によっては小さなボディにめいいっぱいの重量物を満載する。そうなると、どんな最新の良くできたガソリンエンジンでも役不足になるのは明らか。根本的に、ディーゼルエンジンガソリンエンジンは違う。どれだけガソリンエンジンが進化しても、もっとも燃焼効率の良い内燃機関ディーゼルエンジンである以上、バンにはディーゼルエンジンは必須なのだ。

トヨタのタウンエースにはディーゼルエンジンは無いし、ディーゼルエンジンが主流のヨーロッパ向け日産NV200バネットは残念ながら国内向けにはガソリンエンジンのみだ。そんな中、唯一ボンゴが希望の星だっただけに、残念この上ない。

今日のボンゴのマイナーチェンジのニュース。ボンゴが続くことの安堵感(ボンゴがフルモデルチェンジされなかったのは期待はずれ)、そしてディーゼルエンジンが無くなってしまった絶望感、なんとも複雑な思いだ。

もう一つ、ボンゴ・ブローニーもついに絶命してしまった。超絶広大な荷室を誇る日本産自動車最古のクルマもついに無くなった。実にさびしい。合掌。