ゴールデンウィークの信州旅で、久しぶりに立ち寄った乗鞍温泉。昨年の4月に公共浴場の湯けむり館が新しくなったとのことで、楽しみにしていた。かつての湯けむり館はまったく跡形無く撤去されていて、道路を挟んだ反対側、駐車場の奥に新しいモダンな湯けむり館が建っていた。館内に新しくイタリア料理の食堂も完備されたそうで、食事とセットで入浴料を払う。
肝心のお風呂はと言うと、以前の湯けむり館のあの開放的で広い露天風呂から、半分以下の小さな風呂に。唯一屋根が付いて雨の日には良いが、とにかく狭く感じる。内湯も以前の木の湯船から一般的な石造りの湯船に。お湯は乳白色の湯花たっぷりの硫黄泉は健在だったけど、温かみのある木のお風呂と、開放的な露天風呂はまったく失われていた。
ピザやパスタのイタリア料理は良かったけど、その料理を台無しにするような雰囲気の全く無い単なる食堂然とした空間は味気ない。以前は大きな暖炉を囲んで、地ビールを楽しめる空間だったのが懐かしい。
建物の耐用年数など、いろいろな事情があったのだろうけど、新しい湯けむり館の建物やお風呂には個人的に心底がっかりさせられた。あの木のぬくもりが感じられるかつての湯けむり館が懐かしく感じる。
