ジェフ・ベック 孤高のギタリスト逝く

今朝、世界中を駆け巡った突然の訃報。信じられない。ジェフ・ベックが亡くなった。昨年のヴァン・ヘイレンの時は、ずっと闘病していたから、ついにか…とある程度覚悟していたが、今回は、デヴィッド・ボウイの時のようにあまりに突然の喪失感に打ちのめされた。
「この世のギタリストは2種類しかいない。ジェフ・ベックか、それ以外かだ」このあまりにも有名な格言。まさに孤高のギタリスト。3大ギタリストの中でも、歌わないしソングライターでも無かったから、一般的には一番知名度は低かったが、ギターのテクニックでは異次元で、まさにプロミュージシャンやギタリストのための、玄人好みのギタリストだった。個人的にも、彼の好む手数の多いドラマー、初期はコージー・パウエルや、後期はヴィニー・カリウタとか、バンドメンバーも大好きだったな。

ヤードバーズの全盛を担ったギタリストでもあるし、個人的にもロッド・スチュワートとのジェフ・ベック・グループは、史上最高のロックヴォーカリストとロックギタリストのコンビだったと、今でも変わらずそう思う。
一般的には彼の代表作はソロでインスツルメンタルの初期2作Blow-By-BlowとWiredやGuitar Shop辺りかと思う。今もジミー・ペイジの”全てのギタリストのための作品だ”の言葉が印象深い。
クラプトンがルーツのブルーズに回帰していったり、ペイジがツェッペリン終焉後目立った活動をしていない中、ベックだけがギターの可能性をずっと押し広げ、まるで宇宙のように異次元のギターを奏でてくれた。クラプトンやペイジのギターは誰しも分かりやすい魅力があるが、ベックのそれはあまりに変幻自在で縦横無尽。すごすぎて形容し難い。

今でもはっきり覚えている。彼のライブを初めて聴いたのが今は無い大阪の厚生年金会館。それから何度か彼の演奏を生で堪能できたが、それが何より自分の人生で宝物だ。彼はいなくなっても音楽は無くならない。俺も死ぬまでジェフ・ベックのギターを永遠に聴き続けよう。R.I.P Jeff Beck