温泉津温泉 「薬師湯」

Yunotsu

12,13日は広島まで夜行バスで向かい、そこからレンタカーで島根まで湯巡りをしてきた。

前回は同じく山口の長門湯本と俵山温泉を巡り、とてもよかったので、今回もとても楽しみにお膝元のマツダレンタカーで借りたデミオ号でいざ島根の日本海沿いに向かう。利用したのは浜田自動車道。今月末には例の民主党の高速無料化実験区間となるそうだが、なるほど、片側一車線なのにガラガラの交通量だった。おかげで広島市内から目的地まで約130kmの距離もあっという間にたどり着いた。

まずは昨今世界遺産で有名になった石見銀山の近く、温泉津温泉。”おんせんつ”と書いて”ゆのつ”と読む。公衆浴場は元湯と薬師湯があり、今回利用したのは薬師湯。温泉ファンには有名な浴室の床全面にまるで溶岩が冷え固まったかの様な湯の成分。いつか入りたいと思っていた。3~4人入ればいっぱいになる内湯が一つ。もちろん源泉掛け流し。47度の源泉が浴場のすぐ近くのわずか2~3mから自噴するなんて、これほど恵まれた温泉はなかなかない。やや緑に濁ったお湯は熱めの塩化物泉。温泉津は港町でもあるので、海の近くの塩化物泉はなるほどなのだが、しょっぱい塩気はあまりなく、かなり鉄味、鉄錆の臭いが特徴だ。この湯の感じは伊香保温泉のそれに似ているが、あふれた湯の成分が床一面に見事な彫刻を形成しているのを見るとはるかに成分は濃いのだろう。

この薬師湯は風呂だけではない。とても風情ある建物も一見の価値ありで、3階建ての屋上はテラスになっていて、コーヒーがサービス、温泉津の古い街並みが一望できる。館内はちょっとした展示物などあり、管理人の湯に対する情熱、薬師湯の効能をアピールする熱意がとても感じられた。

ネオン街は無く、静かで小さな温泉街だが、この古い街並みと効能抜群の湯質を持つ温泉津温泉ではじっくり湯治や長期滞在して癒しを得る場所としておすすめだ。