The deer hunter

Deer_hunter

大津アレックスシネマの恒例「午前10時の映画祭」で今度1978年の名作映画「Deer Hunter」が上映されるそうだ。ペンシルベニアの田舎町で、仲の良い青年たちの鹿狩りのほのぼのしたシーンから一転、ベトナム戦争のすざましい描写へと移る。ベトナム兵と捕虜との壮絶なロシアンルーレットのシーンは映画史に残るものだ。この映画では、正気を保つ頼れるロバート・デ・ニーロと、凜とした美しさのメリル・ストリープ以上に、戦争の悲惨さの中で狂人と成り果てたクリストファー・ウォーケンの演技が際立つ。(映画好きには、この映画を最後にこの世を去ったジョン・カザールの存在も見逃せない)。当時のアメリカの若者、社会に暗い影を落とすベトナム戦争を、3時間という長時間のストーリーの中で、見る者に強烈な印象を与える。日本は久しく平和ボケと皮肉られるけど、ボケるほど平和なのは世界でも日本だけ。兵役もなく、これほど誇らしく幸せなことはない。最近なにかと混沌としてきたけど、戦争で狂ってしまうより、平和でボケてしまうがよほどましだ。