ウィルコムが倒産

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昨年からいろいろと情報が飛び交っていたが、これほど早くウィルコムがこうなってしまうとは思わなかった。

営業的にはそれほど赤字ではない(黒字らしい)のだが、倒産してしまうのだから怖いもんだ。いろいろな状況でこうなったとはいえ、やはり次世代PHSへの投資がかなりの重荷になったそうだ。こうなってしまった今では身の丈に合わぬ無理をしてしまった結果なのか。

私は昨年末にウィルコムを解約してちょっと後ろめたい気持ちがずっとあった。つながりにくい田舎でも国産技術ケータイPHSをレスペクトとして使い続けていたが、次世代のPHSXGPへ投資で従来PHSのエリア拡大、アンテナ設置が皆無になってしまって、自分としては”違う”と感じ、離れることとした。近くにできた高速道路のサービスエリアですらアンテナ設置要望をしても無駄だった。通信業者がアンテナ設置を止めることはもはや自己否定同然だと思った。また少なくとも田舎に住む私にはXGPはあまりに現実的では無いからだ。

低電磁波ですばらしく音質の良い携帯電話PHS。これは今も変わらない携帯電話の基本的な魅力であり、無くなるのはとても惜しい技術だと思う。個人的にも今回のウィルコムのニュースは悲しくもあり悔しい。自動車業界で言うと、まるでスバルが一番縁遠いはずのトヨタの軍門に下り、軽自動車を辞めてしまう悔しさと同じ感じを受けた。軽自動車で始めたスバルが軽自動車を辞める。唯一の4気筒エンジン、四輪独立懸架という稀少で贅沢な軽自動車が無くなってしまうのだ。

時代が進んでいるのに、技術は後戻りしていくようだ。

もちろん、今回のウィルコムの倒産でPHSサービスが終わるわけではない。会社更生法の適用申請で再びウィルコムがいつか復活することを願ってやまないし、これを再生の始まりで良くとらえたいもんだ。

ただ、現在交渉中といわれる支援先がウィルコムの定額・低料金路線のお株を奪って、今回のウィルコム倒産への始まりとなったソフトバンクというのはあまりに皮肉だ。先ほどのトヨタとスバルの関係ではないが、本当に皮肉なものだ。まぁ、スバルはトヨタの、ウィルコムソフトバンクのそれぞれの商売のうまさを少しは学んで、自身の誇れる技術をもっとビジネスに結びつけていくしかない。

唯一の国産技術ケータイPHSウィルコム、サムライたちは見事に戦には負けてしまった。しかし、死んではいないし、死んでほしくない。