ウィルコムの惨状


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ここ最近は毎月純減のニュース、XGPアンテナ設置の想定外の伸び悩み、既存PHSアンテナ基地局増設によるエリア拡大の停滞、そしてもうずいぶん新機種発表がない。極めつけは事業再生ADR手続きの申請。要するにこれは借金返済の延長を懇願するもので、苦しいウィルコムの台所事情の表れで、やはり良いニュースではない。

けっして赤字経営ではないらしいのだが、最近は黒字倒産がよくあるので、ウィルコムユーザーとしてウィルコムの行く末はとても心配になる。

やはり、これからの次世代PHS事業XGPの莫大な設備投資がかなりの重荷になるようだ。

以前、アンテナが無く圏外地域だった私の団地に、私がエリア要望したらほどなくアンテナ設置(3カ所)していただき、圏内になりめでたくウィルコムが使えるようになった。しかし今は、それ以上に重要な高速道路のサービスエリアのエリア化もままならない。詳細に説明すると、新名神高速道路の土山SAのアンテナ設置要望もなかなかかなわない。もう開通してから2年も経つのに、重要なサービスエリアに未だに1本もアンテナが無い。何度も要望しているのに、公共の高速道路のサービスエリアがいつまで経っても圏外のまま。まさに異常だ。高速道路のサービスエリアでさえエリア化できないなんて、ウィルコムの極貧ぶりが感じられひどい話だ。

ドコモやauのような田舎の山奥までアンテナを建ててエリア化する必要性もないし、ウィルコムにそこまで求めないが、せめて高速道路のサービスエリアやパーキングエリアくらいはアンテナを建ててほしいものだ。

ユーザーにとって一番の魅力の新機種の発表も最近はずいぶんご無沙汰だ。私も長らくアドエスを愛用しているが、機種変したくなるような次の魅力的な機種がない。

私のような田舎に住む者にとって、XGPのような次世代PHSは不要で無関心なのが正直なところだ。それは都心や大都市での話であって、どうせ地方にはかなわぬサービスで無関係であるから、そんなものより他のケイタイ会社より劣る地方の重要なエリアのアンテナ設置の方がニーズが高い。前述した高速道路のサービスエリア、道の駅などの公共場所がそれだ。他のケイタイ会社ほどのような山奥の集落までアンテナ設置は求めないが、せめて田舎でも人が多く集まる公共施設や場所にはアンテナ設置によるエリア化は必須であるのは間違いない。それは都市部に住む人にも旅行や帰省時に必要でもある。

XGPよりはまずは最低限のエリア拡大、最低限の圏外地域の解消が重要だ。400万ほどのユーザーを抱える通信業者である以上、最低限のエリア化は当然だ。XGPの通信速度向上は確かに魅力だが、それ以前に最低限の既存PHSの人口カバー率が必要だ。まやかしの人口カバー率は要らない。まだまだウィルコムは道の駅や高速道路SAのエリア化が不足している。なのに、次世代PHSなんてのは本末転倒。そんなのに投資するなら、もっと基本的な部分を強化して、足元を盤石にして欲しい。

今では唯一のPHS通信業者ウィルコムは今も昔もいろいろ言われているが、結局は最大の弱点はケイタイと比べてつながりにくい、圏外地域の多さなどの、圧倒的に弱いエリアの狭さなのだ。いくらウィルコムがマイクロセルの利点を挙げようと、エリアが弱ければむなしいだけだ。何度も言うが、山奥の人口密度の低い場所までアンテナを建てる必要はない。でも、たとえ地方でも道の駅や高速道路のサービスエリアのような拠点にはアンテナを建てるべきで、急務なのだ。それができないようでは多くのユーザーを抱える通信業者が生きる資格はない。今のウィルコムが苦しいのは、次世代PSHより根本的な既存PHSサービスがまだまだ不完全で不足してるからで他ならないと私は考えている。