第18回立山登山マラニック

480018_217797055010182_1195428390_2

ヨーロッパと日本の”白い山”をそれぞれ走る仲間達から元気をもらい、自分の今年は北アルプス立山登山マラニックへ。トレイルランニングを始めて最初に憧れたこの大会。2年前に抽選で落選。しかしその年は台風で中止。翌年は昨年の当選者でそのまま開催されたため、エントリーすらできなかった。今年やっとエントリーが実った。フルマラソン4時間以内、そして大会参加の意気込みを作文提出で求められ、参加者多数の場合は抽選に。

11889688_781811748594006_8851200723

1日で海抜0mから3000mオーバーの山頂へ己の足のみで踏破する大会は世界的にも珍しいそうな。コースは富山湾をスタートし、しばらくひたすら常願寺川沿いを走る。
立山駅まで1000m登りながらのフルマラソン立山駅から立山の山頂雄山まで約25km2000mアップの登山。昨年立山駅から室堂まではテントを担いで実際に歩いたことがあるので、コースは分かっているが、果たしてフルマラソン後のこのコースはいかに…。

Dsc04144_r

まだ真夜中の3時前には選手が続々と黒浜崎キャンプ場に集合。見るからに屈強なランナーさんばかり。トレイルランナーよりは、ロードを走ってきたベテランランナーが多い。また女性ランナーも多いのは、やはりこういう過酷な持久力を試されるコースならではなのかな。
予報通りの雨が降る。いや、予報以上の本降りで悪天候。
富山湾から立山まで行くのはTJARと同じく、選手達は海抜0mを証明するため海水に手を付ける儀式で浜辺へ。

Dsc_2471_r_2

立山登山マラニックは、18回目と伝統ある大会。関西で言えば鯖街道ウルトラマラソンのような、ボランティアさんの手厚いサポートが評判の人気のイベントだったが、(運営が大変だったのだろう←と想像)去年で最終回となった。しかし、出場していたランナーさんがこんなすばらしく歴史ある大会を終わらせるのは惜しいと、一念発起して新しい実行委員会を立ち上げ、1年の空白も出すことなく継続開催に。
前実行委員会から新実行委員会へと聖火リレーのごとく儀式を済まし、特にカウントダウンや号砲もなく、「さぁ、行きましょう!」的なノリで4時頃に出発(笑)

Dsc04145_r

富山湾をスタートして、ヘッドライトを頼りに真っ暗闇の常願寺川沿い河川敷をひたすら走る。

Dsc04149_r

夜が明けてきた。河川敷はロードと砂利道の繰り返し。

Dsc04150_r

最初のエイドは水のみの提供。

Dsc_2472_r

10km地点の大日橋エイドは食料も提供。

Dsc04151_r

雨がじゃんじゃん降り続く。でも、走り始めれば雨はそれほど気にならない。この日は蒸し暑く、雨でも寒さは感じなかった。時折登りがある以外は、ひたすらフラットで単調な河川敷で、まだ序盤で元気なはずのランナーさんの口数は少なく黙々と走る。

Dsc_2473_r

20km地点の雄山神社エイド。バナナやオレンジに加え、梨が美味しかった。梨を剥いて切るボランティアさんの作業が追いつかずw 雨の中だったし、ほんとにありがたかった。他に食料はコンビニのパンやおにぎりが提供。

Dsc04153_r

20kmを過ぎると、いよいよ立山山麓に向けて本格的な坂道が増えてくる。情緒有る田舎の集落を走る。河川敷を走っているより楽しい。

Dsc04154_r

常願寺川沿いを立山に向かって右側。普段クルマやバスで立山に向かう場合は左側の道を通る。雲の位置が低い。雨は嫌だけど、雨は雨なりの幻想的な景色があるのだ。

Dsc04155_r

富山市から立山町に入る。立山とミクリガ池をバックに雷鳥の看板が素敵だ、大好きだ!

Dsc04157_r

Dsc04158_r

立山大橋は酷いガスで辺り一帯見えず。一寸先は白いぜ(__;)

Dsc04159_r

40km地点、立山駅に到着。ここのエイドもおにぎりやパンなど充実してた。なにせこれから称名滝(八郎坂)まで約7km登りのロードが続く。しっかり補給せねば。

Dsc04160_r

いよいよ立山へ。ずっと登りだけど、この看板見るとテンション上がるなー!

Dsc_2475_r

なんと、ワインエイドが。私設だろうか。それも赤とスパークリングが選べる(ビールもあるよ!とおねーさんが微笑んでたw)。赤をたんまりいただきました。元気100倍↑↑ 次回は富山の地酒エイドも期待( ´∀`)

Dsc_2477_r

ワインエイドに続き、おしるこ&みそ汁の私設エイドが。親子でしていただいて、お子さんがこの悪天候の中「おしるこ、味噌汁いかがですか~」て叫んでくれてた! 坊や、ありがとよ(^_-)

Dsc04163_r

立山駅から称名滝にかけて雨が小康状態となり、ガスが晴れて、右手に悪城の壁こと圧巻の絶壁を見ながら走れた。

Dsc04164_r
称名滝が見えてきた~、俺の家も近い♪(byサザン)

Dsc_2479_r

ドロップバッグの受け取りができる称名エイドでは、そうめんが食べれた。うまいぜよ♪ 

Dsc04166_r

Dsc04170_r

Dsc04172_r

いよいよ今大会のコースで最も難所な八郎坂。立山の名ガイド佐伯八郎さんにちなんだ標高差600mのガレガレ登り。

称名滝の右手の登山道で、下から見ると絶壁を登るようなコースでびびってしまう。つづら折りになっていて激坂が続くわけではないけど、急な箇所と滑落危険箇所が多数。さらに今回は濡れていたので、ガレガレの岩で滑りそうで苦労した。ちなみにここを登るのは2度目。ここを苦労して登るからこそ拝める日本一の落差を誇る称名滝の絶景。今回も苦しく楽しませてもらった。

ところで、ここを登っている時にスタッフさんからゴール地点の雄山山頂が強風のため、室堂ゴールに変更になったと告げられがっかり。八郎坂までは風の強さは感じられなかったが、この天候だと高山はかなりの強風なのだろう。さすがにこれは仕方ない。

Dsc04173_r

八郎坂を登り切るとアルペンルート(バス道)に出る。

Dsc04175_r

アルペンルート脇に整備された木道を行く。やたら傾いていたり、雨で濡れていて滑りやすく、とても走れたもんじゃない。

Dsc04176_r

弥陀ヶ原エイド。ここまで来るとかなりの低温で雨風強い。こんな中がんばっていただいたボランティアスタッフさんに頭が下がりっぱなし。あと8km程でゴールの室堂。

Dsc04177_r

最後は飛ばされそうな暴風と雨で、死ぬかもしれないと思うほど低体温の危機に。体を温めるため、坂道も懸命に走った。でも、Tシャツに薄手のバーサライト(レインジャケット)だったので、耐えきれず念のため持ってきた厚手の長袖シャツ(モンベルのウィックロン)とトレントフライヤージャケットに着替え事なきを得る。これをザックに積んだ判断は大正解だった。やはり2000mを越える高山は用意してもし過ぎることはないのだ。アルペンルートでは低体温で死ぬかもしれないランナーを心配して、スタッフさんが車で巡回しながら「大丈夫ですか?」と1人1人声かけしてくれた。

室堂(2400m)ゴール直前、あまりの悪天候で選手を心配してくれた若い女性のスタッフさんに感動された。「よくここまで来てくれた、すごくうれしい、ありがとう」と。いやいや、こちらがお礼をいいたい程。こんな悪天候の中、運営してくれたスタッフさんもよほどすごい。9時間ほどで海から山頂までの登りの旅65kmが終わった。あっという間、ほんとに楽しかった。

Dsc_2488_r

ゴール後の完走証などは一切無し。タイムや順位はマラニックなのでもちろん無し。大会記念Tシャツが景品として配られた。今回の冠スポンサーであるスイスのマムート。クライミングで有名なブランドだ。天気が良ければ翌日これを着て剱岳に登りたいくらいだな。

ゴール後はあまりの寒さにゴール地点で選手同士で談笑する余裕など全く無く、すぐさま室堂ターミナルへ直行。着替えたり温かい立山ソバを食べたり。去年まではここから山小屋で宿泊して完走パーティーがあったのだが、今年からは各自解散。近くの人なら早く家に帰りたいだろうから、それはそれでいいのだろう。

Dsc_2493_r

今回は残念ながら悪天候で立山の山頂には行けなかったが、3000m級の山を舞台にするならもちろんあり得ること。今度は山頂ゴールしたく、また走りたいと強く思った。
立山は全くガスで見えず暴風雨。本当なら雷鳥沢キャンプ場でテント泊するつもりだったが、とてもテントを設営できる状態ではなかったので、山小屋で宿泊することに。ここの売店で前の実行委員長が記した立山登山マラニックの書籍が売っていた。伝説の大会と名高いこの立山登山マラニック。これからも伝説が続くように。

新しい実行委員会のボランティアさんに加え、以前から支えてきたボランティアさんも今回も多くサポートしていただいたと思う。出場選手の人数に対して、かなりボランティアスタッフさんの数の多さと手厚いサポートは評判通りだった。悪天候の中、エイドやコース誘導していただいたことに深く深く感謝!