第1回蔵王温泉スカイトレイル

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秋のトレランシーズンが始まり、信越五岳や白馬国際、ロードでは京丹後ウルトラなど、各地で大レースが開催される中、東北は山形蔵王温泉、国内屈指のスキーリゾートで、スカイランナー松本大さんプロデュースによる第1回目となる蔵王温泉スカイトレイルが開催され、参加してきた。

さすがに関西からは遠いけど、全国の温泉巡りや地酒巡りをライフワークにしているので、これはちょうど良い機会だとエントリー決意。思い切って飛行機や新幹線を利用して参加。実際、滋賀県からは私1名だけ、兵庫県から数名だけと、関西勢は寂しい参加人数だった。

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蔵王温泉入りしてさっそくお目当ての温泉を堪能。堪能しすぎて、コース説明の時間を間違え、会場入りしたら終わっていたというオチをつけたものの、ブリーフィング後ブラブラしていた松本大さんに直接明日のレースの情報を少し伺うこともできた。

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コースは日本百名山でもある蔵王山を舞台に、地蔵山と熊野岳(1800m程)の2つのピークを越え戻ってくる実測35km、累積2000mほどのタフdeスカイ。距離がタフではなく、コースがなかなかタフと言えると思う。

スカイランナー松本大渾身のコースとやらを見せてもらおうか!(シャア)

第1回蔵王温泉スカイトレイル スタート
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル スタート

14日朝7時、まだ東北の空はやや大気が不安定なものの、晴れ時々曇り。悪くない。地元山形ランナーの山形弁によるかけ声で気合いを入れる。蔵王温泉のご当地ゆるキャラ、じゅっきーくんを先頭にスタート。一斉にダッシュする中、じゅっきーも猛ダッシュ~、ていうか邪魔、どきんしゃーい(笑) みんなすごい勢いで温泉街を駆け抜ける。

 

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あっという間に温泉街を駆け抜けすぐにトレイルに入る。スタートとゴール以外はほぼトレイル率100%近いという事前の話通りというか、大さんのこだわり通り。

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ノーマルヒルラージヒルかどちらか分からないけど、ジャンプ台が。あら、今日同時にやっている白馬国際と同じだ!去年を思い出した。向こうの方がもっと立派だけど。

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松本大さんとハイタッチ。レースは始まったばかり。

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本格的な登りが始まる。基本シングルトラック。ややガレた場所も。

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スパトレイルのように、松本大さんのメッセージボードがいくつかコース上に。距離表示は無し。マーカーはピンクですごく分かりやすい。分岐もスタッフさんがしっかり案内してくれる。まずロストはありえない。

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最初のエイドステーション。定番のバナナに、地元のスイカ、そして山形名物のマスカット!これはウマ――(゜∀゜)―――ッ!!

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少しだけ繋ぎのロードを走り、高原リゾートを散策しているかのようなドッコ沼や大きなコテージを横目に過ぎれば、スキーゲレンデ登場。

第1回蔵王温泉スカイトレイル ブナ林篇
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル ブナ林篇

美しいブナ林をしばし走る。かっ飛ばせてとても気持ち良い。

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本格的なゲレンデ登り開始。つらくしんどいけど、時折振り返れば雲の隙間から山形市方面の街並みやその奥の山々が見える。

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意外にも、まだまだ高山植物がランナーの目を癒してくれた。いつも言うことだけど、花の名前を知っていればもっとレースを楽しめるのに…。

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坂はまだまだ続く。山を走る事しかできない迷える子羊、いくらでも懺悔いたします、はいm(_ _)m

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おや、いよいよ開けてきたと思ったら…。

第1回蔵王温泉スカイトレイル ガレ階段登編
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル ガレ階段登編

一気に岩ゴロゴロの荒涼とした世界へ。先日登りに行った浅間山、森の中から一気にガレ場へ開けたのを思い出した。それに富士登山競走みたいだ。整備された登山道だけど、岩ゴロゴロでむしろ歩きにくい。走ろうなら捻挫必至、足まめがあればまさに拷問。

第1回蔵王温泉スカイトレイル お釜篇
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル お釜篇

第1回蔵王温泉スカイトレイル 稜線走り篇
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル 稜線走り篇

今大会のハイライト、熊野岳付近の稜線は左手に蔵王山のシンボルお釜が。エメラルドグリーンの火山湖が神秘的でもあり、大きな口を開けているようで畏怖の念さえ抱く。これを見ながら走れるなんて。ややガスっていたけど、何とか見れてラッキーだった。同じ温泉地の草津白根山の湯釜を思い出す。しかしそちらは火山性ガスのため近くに行けないから、蔵王山の方がよほど間近に見えて素晴らしいコースだ。

第1回蔵王温泉スカイトレイル 木道篇1
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル 木道篇1

火山の荒涼としたトレイルをしばし走ると、今度はまた緑のトレイルへ。それも木道。今回のレースはトレイルがころころと変化して、飽きが来ない。長くだらだらと同じトレイルが続かないのだ。疲れを感じる暇が無い、疲れがあっても忘れる楽しさ。

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スキーリフト沿いのテクニカルな下り、そしてゲレンデを下ると、ライザスキー場レストハウスのエイドへ。折り返し地点でもある。橋を渡り、森の中へ。ここから再び熊野岳へ厳しい登りが始まる。

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第1回蔵王温泉スカイトレイル 激坂篇
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル 激坂篇

かなりの急登。でもブナ林が美しく、疲れが心地良い。周りのランナーはかなり息を切らしているが、登りが得意な自分は前のランナーとの差を縮め、みんな道を譲ってくれる。精神的に登りの方が楽で、登りになるとほっとする。やっぱり、山登りが好きなんだなぁ。

第1回蔵王温泉スカイトレイル 木道篇2
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル 木道篇2

第1回蔵王温泉スカイトレイル 20km付近
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル 20km付近

距離も20km程になってきた。ブナ林の急登が終わると、辺りは開けて次第に傾斜は緩くなり、木道やシングルトラックのトレイルのアップダウンが。木道の下りは小さな木の段差があるので、つまづかないように注意が必要。それにしても天気が良ければもっと気持ち良い、整備されたコースで普通にハイキングするにも最高だな。

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再び熊野岳に近づくと火山らしいガレ場の荒涼としたトレイルへ。前半よりロープウェイを使って登ってきたハイカーさんが一気に増えた。我々ランナーは普通ならロープウェイを使ってくるハイキングコースを全て自分の足で走って登るというのが今回のコースということ。すれ違うハイカーさんはみんな”がんばれ”と声援を送ってくれる。ありがたい。

第1回蔵王温泉スカイトレイル 熊野岳
YouTube: 第1回蔵王温泉スカイトレイル 熊野岳

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とにかく、ここ蔵王山頂上付近のガレは半端ではなく、特に下りは本当に往生した。御嶽山とはまた違ったほとんど走れない強烈なガレで、ほとんど歩きでかなり慎重に足の置き場に気を使った。

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地蔵山に戻ってくると、行きと同じトレイルを逆方向に。苦手なゲレンデ下りで例によって数人のランナーに追い抜かれる。階段やガレた下りはそれほど嫌じぁないんだけど、ロードの下りやゲレンデ下りは一生うまくも好きにもなれないな。

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山に感謝。さすがの日本百名山を楽しませていただいた。温泉もこの火山があってこその恵。ところで、登っている時、どこからともなく硫黄の香りが。さすがだなと思っていたけど、よく考えたら自分の体から発散される硫黄臭だった。前日の温泉入浴で体に付いた温泉成分がすごい。

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ブナ林に戻ってきた。しかし、なにやら雨が落ちてきた。まぁ、あと少しだからいいかとそのまま走っていると、本格的に雨が降り出した。後5km程というのに。しばらくそのまま走るも、下りで体も温まらないため、レインジャケットを着込む。下り坂は最悪なことに泥んこツルツル状態に。トレントフライヤーを汚したくないし絶対にこけないと誓い、熊笹をロープ代わりに掴みつつ、慎重に下る。ほとんど停滞状態(苦笑)。当たり前だけど、こけまくって泥だらけでもガンガン下るランナーさんにどんどん抜かれる、というか、道を譲ったというのが正しい。

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あと5km程でまだラッキーだった。もし吹きさらしで木々の傘のない山の頂上付近や稜線上にいたなら、たちまち低体温症の恐れがあったかもしれない。

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ずっと余裕だったのが、雨が降っていろんな意味で一気に疲れてしまった。何とか下山、温泉街に近づいてきた。会場の蔵王体育館から先の選手のゴールを伝えるアナウンスが聞こえる。

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スタートして温泉街をまわったのと逆向きに走り、いよいよゴール。

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タイムは5時間14分、順位は総合で約200人中38位。順位は走ってみないと分からないけど、5時間を切るくらいでゴールを想定していたので、やはり最後の雨で急ブレーキがかかった。ただでさえ苦手な下りで雨に降られ、多くのランナーに抜かれタイムを大きく落としてしまった。

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完走証を頂き、温かいカラカラ汁というのをいただいた。酒粕が入っていて具たくさん、すごく美味しい。大会前日は同じ場所で山形名物の芋煮がふるまわれいただいたが、初めての芋煮も美味しくて、ほんとに心も温かくなる山形の郷土料理。さらにオーロラという洋梨がめちゃうま!これ、普通に買うととてもお高いらしい。レース後喉が渇いていたのもあってたくさん食べてしまった(^^ゞ 

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近松本大さんはちょっぴり雨男役になっているとの噂で、今回も完璧な天気とは行かなかったけど、多くのランナーがお釜も見られて、めまぐるしく変わる蔵王のスカイランニングコースを堪能できたと思う。第1回ながら至らない点など我々参加者には見当たらず、すばらしい運営だっと思う。大さんをはじめ、スタッフの皆さんには心よりお礼申し上げたい。

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個人的にも初めての東北のお山、それも百名山を一つクリア。いつか行きたかった国内屈指の温泉リゾート蔵王、東北の地酒やグルメを堪能できて、いろんな意味で収穫の多かった今回のレース。もっと東北でレースが開かれ、震災の復興に少しでもお役に立てればうれしい。すばらしい山と温泉、美味しいお酒があればどこへでも行きますよ~!

ちなみに蔵王温泉の詳細は別にこちらのブログでもアップしてます↓

蔵王温泉