SHM-CD 「CREAM GOLD」

Caed09ul 最近大きめのCDショップに行くと必ず一角にSHM-CDのコーナーがある。最初は何のことが分からなかったが、液晶ディスプレイ用のポリカーボネイド素材を使った高音質CDとのことだ。より透明性が増し、信号の読み取りが向上し、高音質になるそうだ。少し割高なのだが、お試し価格¥1000のロック曲を集めたSHM-CD(比較のため同内容で従来の通常CDも同梱した2枚組み)があるので、試しに購入した。
ただでさえ洋邦問わずヒット曲に恵まれず、CDが売れない。さらにダウンロード販売が普及してCDの売り上げが転がるように落ちぶれていく中、例えば紙ジャケだったり、このような新しい高音質CDは音楽好きをCDショップに留めておく貴重な手段のひとつだ。
さて、その新しい高音質CDだが、肝心の音質はお試しロック集のSHM-CDではそれほど驚くほど音質の差は正直感じられなかった。ちょっとがっかりと思いつつ、試しにCREAMのベスト盤”GOLD”のSHM-CDを買ってみた。CREAMのベスト盤は古めの”the very best of cream"を既に持っている。こちらは20ビットデジタルリマスター盤。それぞれの「I'm so glad」を比べて聴いてみる。そうすると確かにSHM-CDの方が全ての音域で良質なのだ。高音域の粒立ちは格別で、低音域は通常CDでは出ていない音がSHM盤では出ている。ジャック・ブルースのうなるようなベース音がはっきり聴こえるのだ。
このように、たしかにSHM-CDは高音質なのは間違いないようだ。ただ、SHM-CDはマスターは同じでCD自体の素材が違うだけだ。デジタルリマスタリングされたわけではない。
デジタルリマスターされたCDはされていないそれとは比べなくても明らかに音がよくなったと感動するほど違いがすぐに分かった。それに比べ、個人的には今回のSHM-CDはそれだけ聴くと驚くほどの音質の差は感じられない。あくまで従来のCDと厳密に比べて音質の違いは確認できるが、デジタルリマスターされたほどの違いは無い。
個人的に思うが、SHM-CDは高級なオーディオほどその違いが堪能できるのかもしれない。例えばCDラジカセやミニコンポなどの安価なオーディオシステムではたいした差は感じれないかもしれない。
SHM-CDはやや割高だ。なので、もし購入するなら、既に持っている同じタイトルのCDは購入する必要はない。持っていないタイトルを買うならSHM-CD盤を購入するのをお勧めする。
今度レッド・ツェッペリンの紙ジャケSHM-CD盤が発売されるそうだ。ボックスも発売されるそうで、これはすごく気になる。ツェッペリンなら、できればぜひ高音質SHM-CDで堪能したい。