【追悼】 ありがとう ボブ・ボーグル

Bobbogle

いつかはこういう時が来る。もう年齢を考えると仕方ない。しかし、やはりこのニュースを聞くと驚き、そして悲しかった。ベンチャーズのオリジナルメンバー、偉大なボブ・ボーグルが亡くなった。享年75歳。近年は腰痛でライブには出ていなかったが、余命を宣告されるような病を患っていたのは知らなかった。とにかく、お疲れ様、ありがとうと言いたい。感謝の気持ちでいっぱいだ。
私も多くの日本人同様、ベンチャーズが大好きだ。何度かベンチャーズのコンサートには行ったことがあるが、それはどんなコンサートよりエキサイトなすばらしい時間だった。誰よりも楽しく演奏し、誰よりも観客を楽しませる。たとえばエリック・クラプトンよりも、ポール・マッカートニーよりも、ベンチャーズよりはるかに世界的な名声を誇るミュージシャンやバンドより、彼らの演奏は最高だ。それもそのはず、クラプトンもビートルズも、みんなベンチャーズが好きで尊敬しているからだ。そんな今も続く偉大なベンチャーズを作った偉大なボブ・ボーグル。彼のベースもギターも最高だった。
エレキの王様ノーキー・エドワーズ、派手な太鼓の王様メル・テイラー、エンターテイナーなドン・ウィルソン、そんなメンバーの中にあって、おだやかで目立たないボブ・ボーグルだったが、その優しい面持ちの彼がベースを演奏するともともとギタリストだけあって、独特な激しいベースプレイ、そしてWalk Don't Runなど、ギターを持てば観客を喜ばせる。まさにバンドの屋台骨だった。
あまりに大きな古き良きアメリカのミュージシャンを失ったが、彼の作ったベンチャーズは永遠に不滅だ。きっとあの世で、久しぶりにメル・テイラーと”キャラバン”をベースのスティックプレイで楽しんでいる頃だろう。ほんとうに、ありがとう、そしてお疲れ様。