内燃機関のブラッシュアップ

March_2

新型マーチが発売された。マスコミはタイ製がどうのこうと話題になっているが、私はそんなことは全く問題無いと思う。それより心配なのはデザインだ。数を売るのが一番大切なコンパクト世界戦略車は何より普遍的なデザインが肝。しかし、個人的に新しい4代目マーチのエクステリアデザインは明らかにダメだと思う。2代目マーチは極めてまじめに作られ、その機能美が飽きのこないデザインとなり長らく愛された。3代目の先代マーチはゴーン体制になり、古き良き日産の足回りやハンドリングなど作りの良さは失われたが、歴史に残るデザインの良さが今でも古さを感じさせない。それが今回の新しいマーチはどうだろう。モデルチェンジしたのに、まるで一昔古いモデルの様だ。デザインの好みは人それぞれなので、判断できないが、私には受け入れられない。

しかし、中身は従来のエンジンを思い切って3気筒化への変更など、かなり大胆なチェンジを果たしている。アイドリングストップ、新しいジャトコ製の副変速機付きCVT搭載などで、リッター26kmの低燃費。今の日産の技術力をこのコンパクトな世界戦略車に惜しみなく注がれている。

また、先日は未だに唯一の孤高なクリーンディーゼルエンジンを搭載したエクストレイルに待望のAT追加。大ヒットのジュークには世界初のツインインジェクション搭載HRエンジン搭載など、日産の次世代技術の惜しみない投下は注目に値する。年末の電気自動車リーフの話題は昨年から続いているが、むしろ平行したこれらの既存の内燃機関をブラッシュアップしている企業姿勢の方を評価すべきだ。

トヨタやホンダがハイブリッドばかりにうつつを抜かしている間に、ヨーロッパの雄フォルクスワーゲンはゴルフやポロなどのTSIエンジンでまだまだ内燃機関の可能性を追求している。日本企業でも、前述した日産だけでなく、例えばマツダの次世代エンジンSKYやダイハツの低燃費を追求した新しい軽自動車イース(モーターショー出品車)、また三菱は既存の技術を最大限生かし価値を追求したRVRなど、まだまだ内燃機関の可能性、おもしろさを感じる。

電気自動車だから善、ハイブリッドだから善ではない。確かにガソリンは消費しなくても、これらは石油以上に貴重なレアメタルと言われる地球の有限資源を多く必要としているのだ。そういう意味ではまだまだガソリンや軽油を必要とする既存の内燃機関は大切であり、これらの効率を上げることはまだまだ意義がある。特に、現状ではディーゼルエンジンは未だに日本メーカーでは日産しかモノにできていないので、マツダにしろ三菱にしろ、ディーゼルエンジンの早急な次世代化を世に出して欲しいと思う。(スバルの水平対向ディーゼルエンジンの日本市場投入はまだか!?)