ディーゼル復権 ダイハツ・シャレード

C0mcrhib 先日、仕事で配達中に前の車がダイハツシャレードだった。とんでもなく古いシャレードだ。最終型でも今では”物持ちが良いな”と感心するのに、最終型(3代目)でなく、なんとさらに古い2代目だった。ディーゼルエンジン、マニュアルミッションの白いシャレードだ。まるでシーラカンスを見たような気分だ。
私はシャレードが好きだ。今ではフィット、ヴィッツデミオなど日本車にはすばらしい小型車が多数存在するが、シャレードははるか昔のダイハツが生んだ日本車の傑作小型車だと思っている。今では”3リッターカー”と呼ばれ、いわゆる3リットルのガソリンで100kmを走れるエコカーを各社開発してる最中だが、ダイハツは数十年前にシャレードディーゼルエンジンで限りなくこの3リッターカーに近いクルマを作っていたのだ。
これを実現するのはやはりガソリンエンジンではなく、ディーゼルエンジンに他ならない。ディーゼルは「最も燃焼効率の良い内燃機関」と言われる。日本ではあの黒い排ガスのせいで、すっかり悪者扱いされて、今ではトラックやバンなど商用車にしかディーゼルエンジンは残っていないが、環境先進国ヨーロッパでは半数以上のクルマがディーゼルエンジンという日本とは真逆の現象が起きている。
ディーゼルエンジンはガソリンより燃費が良く、CO2排出量が少ないのが特徴だ。ヨーロッパではCO2が少ないことが環境保護につながる観点から、ディーゼルエンジンが普及している。日本とは考え方が違う。
日本ではディーゼルのイメージが悪いため、ガソリンエンジンばかりで、国内販売の乗用車ではディーゼルエンジン搭載はなくなっていたが、国内販売の低迷、ガソリン価格高騰でディーゼルが復活しそうな状況になってきた。日産やホンダが世界一厳しい日本の排ガス規制に対応した最新のディーゼルエンジンを開発して、販売する予定だ。そして、私が個人的に一番注目しているのはスバルの水平対向ディーゼルエンジンだ。実際にまもなく3月にヨーロッパで発表、レガシィに搭載して販売するそうだ。満タンで1000km走るという。最低でもリッター辺り20km以上も走る。低重心、低振動、ショートストロークな水平対向型エンジンにとってディーゼルの強トルクはまさに夢の組み合わせ。夢のようなエンジンだ。
今年後半は新型、次世代ディーゼルを各社発表してくる。まさにディーゼル復権だ。しかし、当分は2リッター以上の中型、大型車のエンジンとなるはずだ。本当に地球環境を考えれば、やはりエコな小排気量小型車のディーゼルエンジンが本命のはずだ。数十年前のシャレードのようなクルマが復活してこそ、最高のエコカーと言えると思う。小さな車体にエコでトルクあるディーゼルエンジン、それをマニュアルミッションで操るクルマこそ私の理想であり、エコとファンを兼ね備えた最高のクルマだ。