ニッカウヰスキー シングルモルト「余市」

Yoichi

昨日から急激に寒くなり、北海道は早くも真冬の様に雪が降り積もったという。そんな北国で作られるジャパニーズウイスキー余市にある。国産ウイスキーの雄、ニッカウヰスキーシングルモルト余市」。竹鶴氏がサントリーから袂を別ち、日本においてスコッチにこだわり、創業したニッカウヰスキーの代表的なウイスキーだ。

今回、サントリーの北杜が終売により、我が家のバーの棚が空くことになり、ニッカの余市をレギュラーに昇格させた。過去にも何度か飲んでいる余市。ラベルに”石炭直火蒸留シングルモルト”、”北海道余市蒸留所1934年創業”と力強く記されているのは、メーカーの自信と思いが強く込められているのが感じられる。味は力強く素朴だ。サントリーのような華やかさはなく、バーボンの様な派手さはないが、まさにスコッチの様な素朴ながら個性的である。

サントリーが京都の山崎や山梨の白州に蒸留所をかまえるのに対して、ニッカは北海道の余市や宮城の宮城峡など北に蒸留所を置いているのは興味深い。特に京都の湿潤な山崎は甘くなめらかな女性的な味に対して、乾燥した寒冷な風土で作られる余市は素朴で力強い男性的な味であるのはおもしろい。

かつてサントリーの鳥井氏と竹鶴氏が夢見た世界に通じるジャパニーズウイスキー。今では本場イギリスで毎年のように最高賞を獲るほどに世界的に評価されるようになった。偉大な先人達の夢は叶ったように思える。しかし、これからも両社が切磋琢磨してより高品位なウイスキーを作り続けて欲しいと願うばかりだ。