美ヶ原トレイルランレース

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8月31日、長野県の第3回美ヶ原トレイルランニングレース35kmの部に参加しました。
過酷なレースと名高い美ヶ原。昨年は猛暑もあり70kmの部で3割、35kmでも5割と異常に低い完走率で、天候が心配でしたが、当初の大荒れの天気予報と違い、晴れ時々曇り。風もあり、トレイルでは涼しくて恵まれました。
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コース図と高低図。前日のコース説明会ではスタートして1000mを10kmかけて走るようなレースは国内にはなかなか無いとのことで、序盤に絶対にゆっくり、ペースを上げないようさんざん釘を刺されました。これは後半にお目にかかれる国内大会屈指のすばらしい眺望をランナーにはなんとしても体験していただきたいというスタッフの思いも込められているそうで、序盤に飛ばすと後半にたどり着けないハードなコースだと強調されてました。
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長和町役場を10時にスタートして、まずは2kmほどロードの上り。太陽が照りつけ暑く、早くもこの先が心配になりました。
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広い林道のトレイルに入る。いよいよ1000mを10kmかけての長丁場の登り。早朝4時にスタートした70kmのランナーさん(逆走)とこの辺りで合流。すでに35km前後走っているわけですね。
先を考えセーブして登ったつもりですが、それでも関係者さんが「ペースが速いです!もっと抑えてください!」と叫ばれるほど。結局2時間もかかりました。
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美ヶ原頂上に近づくと次第に傾斜が厳しくなり、ガレ場が現れます。遮るものがなく、眺望が良くなってきます。
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印象的だったのはここはゴロゴロした岩ではなく、平べったいお皿や瓦のような岩が重なっているような独特なガレ場でした。下りは滑りやすくて注意です。
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観光客が多い美ヶ原に着くとしばらく走行禁止、歩行区間に入ります。最初は走るのを禁止されるなんてどうかと思っていましたが、それなりに疲れていたので、この歩行区間で癒されました。なにせ八ヶ岳北アルプスなど360度見渡せる絶景の高原。乳牛が放牧されてました。歩行区間も悪くないなと思いました。
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歩行区間を過ぎて再び走り始めます。さすがに日本百名山。日本でこの標高にこれほど広い高原はなかなか無いと言われる美ヶ原。気持ち良く走れる区間。台風の影響もあって、吹き飛ばされそうな強風でしたが、暑さを忘れさせてくれて気持ちよかったです。
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今回のレースで最高所となる茶臼山(2006m)。最高の眺望。ランナーはしばし足を止めて休憩、カメラ撮影など。
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何コレ、最高なんですけど♪ 高島トレイルのような最高に気持ち良い山の稜線をしばらく縦走。美ヶ原レースのハイライト。中盤はこんな美味しいトレイルが続きます。
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和田峠を越えると、シングルトラックの林道に入り気持ち良くラン。しかし、この先から地獄のような登りが続くとはつゆ知らず…。
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ダブルトラックの林道になると、かなり長い登りが。傾斜はそれほどではなく、レース序盤なら走れるものの、それまでの疲れがあり、誰1人として走れるランナーは無し。全然距離が進んでないのに、とにかくどんどん時間だけが過ぎていく…。さらにこの先傾斜がきつくなり、頂上付近の急傾斜で足がつりそうに。
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最後の難関、ゼブラ山に到達すると、またすばらしい高原の眺望を見ながら走れる。目の前は”諏訪富士”こと蓼科山。この美ヶ原からは日本百名山を40以上も見ることができるそうです。それだけでも来た甲斐がありますね。
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最後は長野県のトレランレースならではのゲレンデ下り。今回のレースでは距離表示は最後だけはありました。他のレースではやっともうすぐゴールだという時に最後のお約束のような登りがあったりして、あと3kmくらいがやたら長く過酷に感じるものですが、今回は無く、終始長いゲレンデ下りで最後の3kmほどは楽に駆け抜けられました。
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ゴールのブランシュたかやまスキー場。皆さんの声援もあって、調子に乗ってすごい勢いでゴールに駆け抜け転倒するランナーさんが続出。
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なんとハードだった菅平トレイルレース(42km)とほぼ同じタイムでゴール。ハードだと聞いてましたが、35kmなので6時間台でゴールできるだろうとたかをくくってたのがとんでもない。やはり超ハードなコースでした。天候に恵まれ、実際に今年は70kmも35kmコースも完走率が上がったそうですが、もし去年のような酷暑だったら、完走できる自信はありません。それほどハードなコースでした。
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完走リミットが19時。なのでヘッドランプ必携で、ランナーさんによってはナイトトレイルランに。ゲレンデからヘッドランプが見えて、涙を流しながらゴールするランナーさんにもらい泣きしそうになりました。
今回、35kmに参加させてもらって、充分苦楽しかったです。なので70kmはとても考えられません。美ヶ原70kmを目指す人は、まずは35kmという選択では無く、体力に自信なくてもいきなり70km挑戦をお勧めします(予備知識は無い方が良いです)。UTMF(160km)やSTY(80km)を走ったランナーさんですら口々に厳しいと言うほど。噂通りの過酷なコース。でもその名の通り美しく壮大な高原のトレイルレースでした。