南紀の湯巡り 白浜温泉

5jru7qqu 今年最初の湯巡りの旅はおなじみの紀州和歌山に向かった。最初の行き先は白浜温泉。白浜には何度も訪れているが温泉にはガキの頃に1度だけ入っただけで、もちろんどんなお湯だったか記憶も、それ以前にその頃は温泉に興味などない。道後、有馬とならんで日本三古湯と称される歴史ある白浜温泉の湯を大人になった今となっては改めて入り直さなければいけない。巨大なホテルのビルが並び、いかにも一大リゾート地然としているが、所々に由緒ある外湯が点在している。今回つかったお湯はその中の「牟婁の湯」。外観がちょっと竜宮城ぽくて、入ると正面に番頭さんがいて、左右に男風呂と女風呂ののれんが。絵に描いたようなレトロな公共風呂だ。
風呂には2つ石の浴槽が並び、それぞれに湯が注がれている。2つの源泉を楽しめるのが牟婁の湯の特徴だ。若干硫黄臭を漂わせるお湯はしっかり熱めで、やや塩味があるのが海に近い温泉らしく感じる。私には熱いからあまりゆっくりつかってられないが、地元のおじさんたちはのんびりお湯につかっているのがいかにも長年この白浜の湯と共に生きてきた証なのだろうか。早々に湯上がりして服を着るが、いつもより汗がひどく出る。まるでサウナのようだ。湯上がりぽかぽかは温泉の基本だけど、これほど体が長く熱いのは歴史ある白浜の高温泉と湯の成分によるものだろうか。
白く高いホテル群がそびえる白浜は近代的なリゾート地だけど、このような小さくてレトロな外湯は今なおこじんまりと白浜の長い歴史を今に伝えているようだ。