十津川 湯泉地温泉滝の湯

Grjtiii6 奈良から和歌山に紀伊山地を南北に抜ける道には主に3本ある。西吉野から上北山、下北山を通り三重県熊野方面へ向かう国道169号線、十津川を縦断して本宮温泉郷〜新宮へ抜ける168号線、高野山から龍神温泉へとつながる371号線。いずれも険しい紀伊山地を抜けるだけあり、長く曲がりくねった高低差ある険しい道ばかりなのだが、中でも十津川を縦断する168号線がもっとも危険な道だと思う。片側は常に土砂崩れの心配をしながら、少し油断して道を外すともう片側はダムへと落ちてしまう。いずれにしても、かなりの致死率なのだ。この道はいつもある程度の覚悟を持って死の危険を感じながら通り抜ける。
奈良県のかなりの面積を占める十津川村奈良県の南中央部分はほとんど十津川村だと言ってもいい。また、そのほとんどが山林が占める。まさに陸の孤島だと言える。そんな十津川は温泉に大変恵まれた場所でもある。十津川温泉郷と言われ、南から上湯温泉、十津川温泉湯泉地温泉と3つの温泉地が存在する。
和歌山に遊びに行くと行きか帰りによく168号線を利用するが、このすばらしい十津川の温泉を寄らずに通過するばかりであった。日本でも有数の有名で良質な温泉を堪能せねばと、今回白浜温泉の帰りに立ち寄ることにした。今回立ち寄ったのが一番北に位置する湯泉地温泉。168号線からすこし入ったところにある秘境満点の公共の湯「滝の湯」だ。
十津川の温泉は奈良県で唯一の高温度の温泉で、またその中でこの湯泉地の湯は単純硫黄泉で、いかにも秘湯の山の温泉らしい硫黄臭がたまらない。十津川温泉はどこも”源泉掛け流し宣言”で良質な湯を宣伝しているが、高温泉な湯泉地は季節により少し加水をして湯を冷ましているそうだ。私が入った時は雨降りだったので、加水をしていたのか、それとも雨である程度冷めていたのか、湯加減は熱くなくむしろ長めにつかれるちょうど良い温度だった。
なにより、個人的に硫黄の臭いがいかにも良質な山の温泉に入っていると言う気分にさせてくれるのがよい。硫黄臭のプラシーボ効果と、実際のなめらかな湯の感触が険しい山道を抜けてきた疲れを一気に吹き飛ばしてくれる。
この滝の湯は文字通り、露天風呂から小さな滝が眺められる。露天風呂のすぐ横に川が流れていて、滝があるのだ。小さな露天風呂だけど、景色と雰囲気は最高だ。上には内湯があり、露天風呂とはつながっていないので、一度着替えてから移動しなければいけないのが難点なのだが、最高の温泉と景色はまさに苦労して訪れる十津川の持つ価値のほかない。
気軽に来れる場所ではないが、まさに苦労して来るからこそ味わえる温泉だ。
話が変わるが、奈良方面へ帰るにも再び険しい道が続く。年間必ず何人かダムに落ちたり土砂崩れで命を落とされる事故が発生する道だ。今、谷に高速道路のような巨大な橋の橋脚が建設されているのを見た。どうやら新しい道を造っているようだ。本宮温泉郷から十津川の南側への道中もいくつか高速道路のような広い道路が部分的に開通していた。まさに地方への過剰な道路建設を目の当たりにした気分だ。確かに従来の道は険しい危険な道であるのは間違いないし、地元の人には必要かもしれない。でも私は日本各地の温泉を巡る旅をしているから、あらゆる場所のれっきとした”地方”を訪れ、それもかなりの田舎の道を利用するが、どこも都会よりはるかに立派できれいな道が整備されているのを感じる。例えば、10000いる場所に渋滞だらけのぼろぼろの道があり、10いる場所にほとんど車が見られない高速道路のようなりっぱな道が存在する。これが日本の道路行政なのだ。役人は私服を肥やすため、政治家は土建業者からの票のためにせっせと無駄な道路を造る。もはや暫定でもなんでもない税金を私の生まれる前から国民に課し、先進国で異例の長期政権の自民党はさらにこれからも暫定の税金を課し続けたいそうだ。自民党の連中は自民党である限り、どれだけ道路を造ってもこの先いつの時代も道路が足りない、道路が必要だと言い続けるに決まっている。
地方の田舎に行くと、もう道路は必要ない、これからは都市部の渋滞改善だったり踏切の立体交差化、老朽化した橋の補修や掛け替え、古い道路の補修などが必要だと思う。私も地方の田舎に住んでいる。田舎の私でももう道路は必要ないと思うくらいだ。自民党の古い人たちや土建業者や地方の首長たちは道路に頼りすぎている。
もちろん道路は必要だけど、もはや今の時代は道路以上に必要で大切なものがいっぱいある。ただでさえ人口減少、車の数も減っていく。日本中の温泉地を車で旅する私にとって道路は大切に違いないけど、もう道路は充分だ。
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