アイリッシュウイスキー

1txouuek 先日、広島に旅をした。ガキの頃以来の広島。安芸の宮島原爆ドームなど、広島の定番観光と、広島焼きをじっくり堪能した。そして、夜は広島市の繁華街である八丁堀にあるアイリッシュパブで過ごした。MOLLY MALONE'Sという本格的なアイリッシュパブで、夜が深まるにつれ店内はほとんど外国人でいっぱいになった。極東の広島の地において、雰囲気は抜群の本格的なパブだった。
今、我が家のバーの棚にはアイリッシュウイスキーには1枠与えられている。スコッチには3枠、バーボンには3枠与えている。ウイスキー発祥の地と言われているアイルランドウイスキーに1枠というのははなはだ失礼だというのは重々理解しているつもりだ。そのたった一つの枠にはアイリッシュウイスキー定番で人気のJAMESONが鎮座している。以前はTullamoreDewだったが、どちらも共通してすっきりと飲みやすいライトな味が特徴だ。スコッチと違い、ピートを焚かないことによるスモーキーな味が無いのと、通常の2回蒸留より1つ多いアイリッシュウイスキー伝統製法の3回蒸留による雑味の無さがアイリッシュの個性を守っているようだ。ストレートでピュアなウイスキーウイスキー初心者やスコッチやバーボンのような個性的な味が苦手な人や女性にお勧めできる味だ。
アイルランドに行ったことの旅人は口を揃えて言う、”アイルランドは暖かい”と。アイリッシュパブに行くと地元のアイルランド人が温かく旅人と酒を交わすという。宗教対立による紛争など、かつてはアイルランドというとどちらかというとダークな印象が強かったが、アイルランドはすごく温かい都市なのだ。ベルファストやダブリンは他の国から寄り集まったロンドンよりはるかに人情あふれる温かい街なのだと私を常に魅了する。
シンプルで飾り気の無いアイリッシュウイスキーの味には、アイルランドウイスキー発祥の地としての長い歴史と栄光、そしてアイルランドの暖かみのある人情に尊敬の念と親しみを感じざるをえない。