日産ラシーンのデザイン

Rasheen

休日は弟が中古で買ったラシーンを動かしている。買って1ヶ月後に東京に転勤になり、私が預かることになったのだが、やはりいつまで経ってもこのクルマのデザインは見事と言う他ない。5速ミッションの4駆車は今となっては珍しく、楽しんでいるが、やはりこのクルマは一にも二にもデザインに尽きる。あのイギリスの権威あるカー雑誌がこのクルマを褒めまくり、どうして英国にこのクルマが無いのか残念がっていたのは知る人には有名な話だが、イギリス人が日本のクルマのデザインをこれほど褒めちぎるのは後にも先にもなかなか無いことだろう。このクルマはややメーカーの日産がRVに振りたい部分があり、ルーフレールやバンパーガード、背面タイヤなどあるが、これらが一切無いすっきりシンプルなラシーンが一番すばらしい。

サニーをベースにしたクルマ。室内は狭く、1500ccのエンジンは非力だ。4WDであるとはいえ、1500ccの5速マニュアル車なのに燃費はリッター10kmという悪さ。しかし、エクステリアはもちろん、インテリアの造形もこの上なくすばらしくユニークで、とにかく所有する満足感がある。今時このようなデザインのクルマが無いから、とても貴重だろう。あえて言うなら、同じ日産の現行型キューブも同じような価値があるかもしれない。よく考えると、このラシーンとキューブはある意味日本車では希なる日本的なデザインを体現したクルマなのかもしれない。また、これも日産だけど、ティアナもある意味初めて日本車でメルセデスなどの欧米高級車のコンプレックスに無関係な日本的な高級車を体現したクルマだと思う。これは特にレクサス車に期待したい分野だ。

話は逸れたが、今では古いこのラシーンというクルマ。デザインは全く古くなっていない。ユーティティーや動力性能のあふれるような欠点を全て許せるほどの見事なデザインだ。私のところのラシーンはダークブルーのカラーで、樹脂製パーツがひどく退色している。先日、カラースプレーをわざわざこのカラーに合うよう調色してもらい、塗装して復活した。ボディも全てワックスを掛け、輝きを増した。走行距離は10万kmに達する。こうなるとこれからもはやクラシック車やレストア車の域になってくるが、こつこついじって保持するのもまたクルマ好きには楽しい作業だ。