NV200バネットについて

Nv20016s1

昨年2009年の新車リリースで個人的に一番の注目は日産のビジネスバン、NV200こと新型バネットだった。小さい頃に親父がバネットに乗っていたし、私が免許を取ってからも我が家にはバネットがあり、それはワゴンだが私が免許取り立ての時運転したことがあった。わずか1500ccの非力なガソリンエンジンを今では絶滅したコラムミッション(とてもギアが入りにくくて苦労したが、とても楽しかった)を操作して急な鈴鹿峠を悲鳴を上げて走っていたのが懐かしい。バネットは思い入れのあるクルマだ。

そのバネットもワゴンはセレナ(当初はバネットセレナと名乗っていた)にその座を譲り、今はバン(商用車)としてその名を残す。私のようなMT至上主義者にとってはATしかないセレナは論外なので、やはり日産バネットの復活(マツダのボンゴのOEMだった。今も一部グレードでマツダ・ボンゴ版のバネットは継続販売中)はうれしい限りだ。

昨年もNV200バネットをこのブログで取り上げたが。先日仕事の得意先の方が買ったばかりのNV200バネットを乗ってこられて、いろいろ見て聞くことができたので、改めてバネットの魅力を取り挙げたい。

乗ってこられたのはシルバーの16Sという7人乗りワゴングレード。前後バンパーもボディ同色で、安っぽさがないのがいい。やはりこのNV200バネットはバンらしからぬすごくスタイリッシュなデザインがすばらしい。個人的にシャープなフロントとシンプルなリアデザインはセレナよりもこちらのバネットのデザインの方が魅力的だ。特に斜め前から見るデザインはバン(商用車)にしては”やりすぎ”じゃないかと思うほどだ。

肝心の荷室だが、やや長めに出たボンネットのせいか、見た目は狭く感じられるが、意外と広く、特に低床でタイヤハウスの張り出しが少なく、室内高が大きくけっこう積めそうだ。

エンジンは1600ccのガソリンエンジンのみ。HR16型で、ティーダやノートのHR15型と同型。一時期限定のマイクラCC(イギリスから逆輸入されたマーチのオープンカー)のエンジンと同じだ。

排気量で見ると非力そうだが、自動車雑誌のレビューではけっこう活発に走るらしい。しかし、乗ってこられたオーナーさんは鉄部品を積んで坂道だとやはりかなり非力だそうだ。当然少排気量のガソリンなら荷物を多めに積めば一発に非力になるだろう。ここはやはりディーゼルエンジンが望まれる。ヨーロッパのNV200にはルノー製の1500CCディーゼルエンジンが積まれているそうなので、個人的にはこちらの方が興味ある。

最近この新型バネットを街中でもけっこう見るようになってきた。先に発売された新型タウンエースバンが未だに街中であまり見かけないことを見ると日産の方がよく売れているようだ。過去のタウンエースとバネット、そして今までのハイエースやキャラバンの関係性を見ると、トヨタの方が圧倒的に売れていたが、今回のタウンエース(インドネシアダイハツ製グランマックスというクルマ)のトヨタのやる気の無さはいったい何なのか不思議で仕方がない。

このNV200バネットは内装(インパネ周り)もバンらしからぬなかなか良いデザインで、MTもしっかり用意されていて(16SはATのみ)、ほんとうに魅力的だ。今年にモデルチェンジと噂される新型キャラバンは下手に作るより、このバネットに大排気量のガソリンやディーゼルエンジンを載せて、ロングボディに仕立てて出した方が良いかと思うくらいだ。

今の私のE24型キャラバンとNV200バネットは大きさとクラスが違うので、そのまま比較して購入対象にはならないが、今度の新しいキャラバンがまたふがいないものだと、このコンパクトでスタイリッシュなNV200バネットを検討せねばならない。あまりに現行型E25キャラバンのデザインが酷いので(前期型はまだ良かった)、積載量は大きく減るが、それをあきらめて我慢しようかと考えるほどこのNV200バネットは魅力的で欲しくなる。