デスクトップオーディオ BOSE MEDIAMATE

Rxilkly_ 21世紀に入ってMP3やらWMA、ipodのAACなど音声データ圧縮技術の進歩でより音楽が手軽になった。純粋に昔と比べて音楽の音質は落ちたというか、なおざりになっているのは否めないと思うし、それは残念だけど、80年代に本格的なCDの普及で、デジタル化による音声データの劣化から開放されたことが革命とすれば、この21世紀初頭の音声データ圧縮技術もいつでもどこでも音楽を大量に持ち運べると言う意味で革命だと思う。世に言う”ユビキタス社会”というやつだ。
ハードディスクやシリコンメモリーの大容量化はほんとうに音楽を手軽なものにした。もちろん僕もその恩恵を受けているわけで、最近はパソコンに僕の所蔵する数百枚のCDをほとんど入れて、マウス操作ひとつですぐに聴けるのだ。最近ではすっかり自慢のオーディオシステムも飾りになりつつある。
さて、そんなパソコンでの音楽生活は最近まで愛機VAIOに同じくSonyの小さなスピーカーを付けて音楽を聴いていたのだけど、僕の鳴らす音量では音が割れてしまうのが困りものだった。そこであの有名なBOSEのスピーカーに白羽の矢をたてた。MedeaMateというモデルのデスクトップスピーカーで、いろいろと各方面でうわさは聴いていた。値段がこのようなパソコン用のスピーカーにしては高い1万4千円もする。店頭で横に並んであるOnkyoのスピーカーと一瞬迷う。Onkyoのそれは大きさもBOSEより一回り大きく、出力も倍くらい大きいのに、値段は半額だ。しかし、僕の印象ではBOSEというと小さなスピーカーなのにとんでもない音量が出る!というもので、これならガンガン鳴らしても音が割れることもないし、机のスペースもそれほど要らないということで、おもいきってBOSEにしたのだ。
さっそく聴いてみて、これがBOSEなのか、さすがだといった感じ。小さなスピーカーから本格的なミニコンポ並みの豊かで力強い低音が鳴るではないか。ちょっと、不自然なくらい低音がきつすぎるので、使用している音楽プレイヤーソフトのRealPlayerのおまけのような3バンドイコライザーを少しいじるとちょうど良い。きつめの低音をやや下げて、控えめな中、高音域をやや上げる感じ。これでばっちり。ベース音の低音も迫力があり、且つ音の輪郭も出た。最初はいまいちだった高音も例えばギターやピアノの音色も良く出るようになった。
まぁ、でもBOSEのスピーカーは小さくても良く鳴るのは当たり前、さらにすごいのが音量が小さな場合でもどういうわけかしっかり低音が出るし、普通の安物のスピーカーではボリュームを絞ったら聴こえなくなる音、つまり大音量時にしか聴けない音もこのBOSEのならちゃんと鳴るのだ。これがこのスピーカーの売りで、BOSE独自のいろんな特許技術がモノをいうわけだ。
値段は高いけど、その価値は充分ある。良い買い物をしたと思う。
もちろん、それでもパソコンで圧縮データを聴いているのであって、ピュアオーディオを聴くのとは根本的に違うけど、これほどの手軽さでこれほど音質が良かったなら充分だと思うし、逆に言えばこれで自分の耳が慣れてしまうのが怖い。純粋な音質の良いスピーカーやアンプは昔のオーディオブームの頃よりたいした進化はないのだろうけど、こと小さなスピーカーで、また小音量時に良い音が鳴るという分野ではすごい進歩していると思う。身近で言えば携帯電話のスピーカーでもそうだ。けっこう良い音が鳴ると思う。
この斜に構えたブラックボディーのBOSEスピーカーは小さいながら貫禄があって偉そうだ。しばらく僕の部屋の中央のデスクに堂々と鎮座して、腹まで響く音を鳴らして楽しませてくれそうだ。