Band on the Run

Bandontherun

毎年何かと秋以降は大御所ミュージシャン、バンドのリリースがあるものだが、今年はビートルズの赤盤、青盤のリマスター盤のリリース、ジョン・レノンのソロ作品のリマスター、ベスト盤リリースなど、それなりの話題がある。それらに負けじと?、ポール・マッカートニーもソロ作品のリマスター盤がそれぞれリリースされる。特に彼のソロ作品で一番有名で名盤の誉れ高い「Band on the Run」の企画盤3種類がリリースされ話題になっている。個人的には最初の「McCartney」や「Venus and Marth」の方が好きだが、やはりポールのソロ時代における最大のヒット曲はBand on the Runであるのは賛同できる。

ビートルズ解散以後、それなりのヒットを飛ばしていたポールだが、ジョンやジョージなど、他のメンバーと比べて、やや地味で評判の良くなかったポールだが、このBand on the Runでは起死回生とも言える自身の最高傑作アルバムであり、世間にも、そして兄弟ジョン・レノンにも絶賛され認められた最も有名なアルバム。

ポール、妻リンダ、デニー・レインのわずか3名でナイジェリア・ラゴスでレコーディングされたこの作品は、ある意味”火事場のクソ力”的な奇跡を呼んだ。特にポールがほとんどの楽器を担当し、あのThe Whoの神童ドラマー、キース・ムーンがパブでBand on the Runを耳にして「このドラムを叩いているのは誰だ!?」と飛び上がったのは有名な話。まさにポールの天才ぶりが発揮された逸話だ。

名盤中の名盤であるBand on the Run。ジャケットも意義深いし、タイトル曲以外にも名曲がたくさん。秋の夜長はこの作品を最新の音質で改めてじっくり聴く必要があるだろう。