サンスイのアンプ AU D907G extra

0dgiwpki 長年の愛機であるデジタルアンプ、ONKYOのA-701XDがトラブルにより出力不能になってしまった。時計でいう9時の位置以上にボリュームを上げるとカチッという音とともにパワーが落ちて音が出なくなってしまう。きっと小さな一部の部品が故障したのだろう。それを交換すればよいのだろうが、このアンプはまだ修理に出して間もない。またオンキョーのサービスに修理依頼するのが面倒でまたお金がかかるので、とりあえず一度リタイヤさせて、親父が持っていて使っていない2台のサンスイのアンプを試してみた。1つ目は比較的新しいAU-α601というピアノブラックの光沢がとても美しいアンプだ。けっこう期待をしていたのだが、ONKYOのそれとは明らかにパワーがなく、また、ソースダイレクトなどいろいろ試して聴いてもいまいち。ラウドネスボタンをONにすると例によってやたら低音だけ強調されたようで乱暴なだけ。長く聴いていると疲れそうなアンプでがっかりした。コーラルのスピーカーとの相性が悪いのだろうか。
2つ目はAU-D907Gのextraという機種。前者より古いモデルだ。こちらは期待していなかったが、とても高級感ある音でONKYOに迫るパワーもある。音が何より自然だ。高音は気持ち良く出て、中音は自然。低音はうなるような底力がある。さすがに907シリーズ。サンスイは6、7、9と数字が上がるほど高級モデルになるのだが、さすがにサンスイの907は古くても桁が違う。デジタルアンプでオプティカルの光接続を使用してCDを鳴らしていたONKYOのA-701XDはよりクリアで硬質な音だが、こちらのサンスイはアナログの温かみのある音だ。むしろ60〜70年代ロックを聴くのはサンスイの方が合うのかもしれない。試しに聴いたThe Whoのライブの名盤「Live at Leeds」の1曲目からぶっ飛んだ。いきなり爆発する「Heaven and Hell」の迫力を余裕で鳴らしてくれる。ピート・タウンゼントのいきなりのカッティングからたたみかけるようなキースの太鼓、そしてうなるようなエントウィッスルのベース。あらためてこの名盤のサウンドに聴き惚れた。
一見するとピアノブラックの光沢が美しいα607だが、格上のD907はおとなしめのフロントパネルにサイドとトップをウッドで多い、ボトムをブロンズで固めるデザインは大変重厚かつ威風堂々としていて、貫禄が感じられる。
古くても良いものはやはり良いのだと思わされた。今までいくつかアンプを使ってきたが、なぜかサンスイは今回が初めてだ。国産アンプの最高峰サンスイはすばらしいのは言うまでも無いが、改めてすごいのだなと思う。
とは言え、ONKYOのA-701XDは私にってこれ以上ないベストのアンプだと今も昔も変わらない。またお金と時間の余裕があるときにオンキョーのサービスに修理を出して使いたいが、それまではこのサンスイのヘビー級アンプにお世話になることにする。