200系ハイエース 試乗

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相変わらず街にあふれるハイエース。石を投げればハイエースに当たるくらいだ。前モデルの100系もモデル末期まで長らく根強い人気があったが、新しい200系ハイエースはさらに人気爆発と言った感すらある。トヨタにとっては豪華絢爛のアルファードも儲かるクルマのひとつだが、ハイエースも売れると儲かるクルマだろう。ハイエースはほとんどトヨタの屋台骨を支えていると言っても良いくらいだ。

私は日産のキャラバンをずっと乗り継いでいる。トヨタは好きではないが、嫌いではない。一度もトヨタの車は所有したことがないし、これからもトヨタの車は買うことは死ぬまでないと思うが、それほどアンチトヨタでもない。ハイエースも嫌いではない。でも、やはり街中にあふれるハイエースはやはり嫌になるし、人とは違うのがよいから、キャラバンを選ぶ。しかし、それは昔の100系ハイエースとE24型キャラバンの時代で言える話だった。トヨタらしい見た目の豪華さあふれる100系ハイエースは販売面でキャラバンを圧倒していたが、通はキャラバンを選んでいた。ハイエースのような派手さはないが、渋いデザインと日産らしい走りの良さ、黒煙はハイエースより多いが圧倒的にパワフルなディーゼルエンジン。少なくとも中身は確かにキャラバンが勝っていた。しかし、今の200系ハイエースとE25キャラバンはあまりに差がありすぎる。200系ハイエースはあらゆる点で優れている。キャラバン好きの私でもハイエースを選んでしまいそうなくらいだ。いや、残念ながらキャラバンを選ぶ理由はほとんどない。私が今もE24型キャラバンを愛車にしているのもE25キャラバンのふがいなさによるものだ。

前置きが長くなったが、今日初めて今さらながら200系ハイエースに乗る機会があった。仕事のお得意先の人が新車のハイエースのスーパーGLが納車されて、試乗させてもらった。最新の3リッターディーゼルターボエンジン。E24キャラバンと比べてかなり高い位置によいしょと乗り込むと乗用車ライクのいかにもトヨタらしいモダンなインパネデザインと内装が迎えてくれる。いかにも古くさいバン然とした現行キャラバンとはそれだけで印象は大違いだ。走り出すと意外とガラガラでディーゼルエンジン特有の音が車内に入り込むが意外だ。エンジンの騒音は全体的には小さいのだが、このガラガラ音の周波数だけやたら鋭く特徴的だ。加速以外は比較的静かで、軽々とエンジンが回り大きな車体を加速させる。さすがに新しいディーゼルエンジンだ。このガラガラ音だけは普通の人は気になるだろう。私のようなある程度のエンジン音を必要とする人間以外には耳障りなのは間違いないが、やはりこれはコモンレールの超高圧縮によるものなのだろうか。

スクエアな荷室は旧ハイエースよりも荷物がよく乗りそうだ。バンなのだから、荷室の大きさは肝であり、一番大切な部分だ。衝突安全性を備えながら旧モデルと同等の荷室を確保したのはやはり立派なモノだ。その点、キャラバンは旧モデルより容積が落ち、まさに商用車として致命的で、それだけで完全にハイエースに決定的に負けている。

昔の100系ハイエースとE24型キャラバンの関係性はまさに商売のトヨタと技術の日産の関係性そのもので、見た目や内装の豪華さで走りのよいキャラバンを商売で圧倒していたが、今回はそのトヨタらしい見た目の良さだけでなく、中身の良さでもキャラバンを圧倒している。確かに現行E25キャラバンのディーゼルエンジンはすばらしい。それはハイエースより勝っているかもしれない。また、ガソリンエンジンには5ATもあり、装備はよく価格も圧倒的に安い。殿様商売のハイエースと比べればとても良心的だ。でも、今の王者ハイエースの前にはこのキャラバンのわずかな利点も全てむなしく聞こえる。

今回最新のハイエースに乗ってみて、なるほどさすがに売れているだけあるのはよく分かった。バンらしからぬスタイリッシュなデザインと内装の豪華さ、基本がしっかりしたエンジンとユーティリティ。それに比べ、キャラバンはあらゆる面で古い。どんなに値下げしてもマイナーチェンジしてもハイエースにはかなわないだろう。もはやフルモデルチェンジしかない。しかしながら、商用車はモデルサイクルが長いから、いくら販売面でハイエースに大きく差がついていても、キャラバンは悲しいかな当分フルモデルチェンジはないだろう。こうなるとますます現在の愛車のE24型キャラバンに愛着が湧くのは皮肉な話だ。200系ハイエースと比べると我がE24型キャラバンはほとんどクラシック車になってしまうが、古き良きキャラバンの渋いデザイン、低重心なボディ、加速なら今でも負けない3200ccのディーゼルエンジンハイエースの上級モデルにない5MTは貴重だ。ますますキャラバンオーナーとして誇りを持っていける。

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