第1回 愛川アドベンチャー

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2015年最初のレースは白山ジオトレイル仲間で、スカイランナーのサスケさんが地元は神奈川県愛川町で主催した愛川アドベンチャー。若いのにレースを開催しちゃうなんてすごい、そんなリスペクトと、白山ジオ仲間の強い絆で、はるばる関西から駆けつけた。楽しい外遊びならどこでも行くぜ。

チームは3人1組。昨年の白山ジオトレイル250kmを共に完走した戦友、毎週のように全国各地でレースに出場している疲れを知らないケンさん、そして地球上で最も過酷なレースと称されるサハラマラソン完走者で、宮城県石巻から今回のために購入したバイクを携え駆けつけたアキヤマさん、こんな偉大な変態の大先輩とチームを組ませてもらった。ゼッケンナンバー9、チーム名は「ジオライダーズ」。私なんぞはまだまだ変態のひよっこw 

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雲一つ無い快晴。スタートとゴール会場となる田代運動公園に、各地からバイクを載せたクルマが河川敷の駐車場に集結。中にはキャンピングカーも。見るからにアウトドア遊びの達人のようだ。ランナーさんも様々だけど、意外と女性が多い。女性3人のチームも見受けられるほど。

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受付で参加費¥3000を払い、簡単な装備品チェックを済ませる。自分はバイクも使用するアドベンチャーレースは初めてで、バイクはレンタル(¥3500)することにした。いろんなMTBが置いてあり、最近自分の好きな色オレンジのMTBをチョイス。

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アドベンチャーレースの肝、地図を配布され、サスケさんのコース・ブリーフィングと全員での記念撮影をして、午前9時に一斉スタート。ラン、バイクを駆使して全部で22箇所のチェックポイント(CP)をまわって、タイムを競う。

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(画像提供:藤橋さん) 今年白山ジオトレイル250kmに出場される藤橋さんがわざわざ駆けつけてくれ、激励を受ける。うれしくテンションが上がりながら最初のCPを目指しダッシュ!

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ボーナスのAポイントを過ぎるといきなりの川越えはゴムボート。このアドベンチャーレースはカヤックはないので、川越えはないと油断していた。ライフジャケットも着用して、オールで漕いで、怖々対岸を目指す。短い時間だったけど、おっかなびっくり、貴重な体験だった。

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地図を読みながらまずは最初のチェックポイント。愛川町の名所のようだ。ここではクイズが出題される。その場所にまつわるものが多いが、近くにある解説の看板を読めばたいがい正解が導き出せたり、直前の風景やポイントを注視すればヒントが隠されている。他には、フォトロゲのようにデジカメで撮影したり、スタンプを押したり、CPにより様々。

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最初はバイクを使わず、ひたすらロードラン中心。チーム対抗戦なので、気合いが入り自然と足早に。まだまだ序盤で体力があるので時にはハーフマラソン並みのペースで走りまくる。

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愛川町中心地の名所や寺社など全部で5箇所のCPを比較的スムーズにまわり、次はバイクに乗って遠方のCPに向かう。

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けっこう坂道の多い愛川の町で慣れないMTBの変速機に苦労した。登りの坂道なのにギアを上げたり、下りで下げたり…、まぬけ!(笑)

バイクはもちろん公道でヘルメット着用義務。メットもレンタルできるが、先日買ったばかりの山岳用ヘルメットを持参した。見た目がなんだかえげつないペツルのシロッコ。超軽量でTJARでもメジャーなメット。アルプスや百名山でかぶる予定が、初めてがなんとバイク。まぁ、頭を守ることには変わりはないが。

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CP間の距離が離れても、やっぱりバイクは速い。この疾走感が新鮮でテンションが上がる。でも、登りはけっこう大変。”ジオライダーズ”と名乗っているけど、己の足で走ることしかしてこなかった我らには登りのペダルが思いのほかきつい。

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地図読みでCP近くに来たと思っても、なかなかCPが見つからない。わざと死角に貼られていたりと、かなり注意深く探す必要がある。3人もいながらその場所を通過しているのに見落とすことも。とても教訓になった。

CP8は地元の大きな養鶏場にあって、その名物の卵に関する問題や、CP9は古戦場の歴史にまつわる問題など。地元愛と、若いのに歴史に造詣が深いサスケさんならでは。

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面白かった、いや、大変だったのがCP7。たどり着いた竹林でいきなりスタッフから3人分の竹細工を作るよう命じられる。チームチャレンジ。竹を根本からノコギリで切り倒して、適度な長さの竹細工をノコギリやナタで切り加工する。特にノコギリが大変で、予想外のチャレンジにあたふたしながら必死になんとか3人分の竹細工を完成させる。

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CP11からはバイクを置き、いよいよ山岳トレイルランでCPを目指すステージに。初めての丹沢山系を地図とコンパスを片手に駆け巡る。ここからは特に等高線を注意深く見ながら地図読みが重要になる。1/25000の地形図なので、地図上の1cmは250mなのだが、やはりトレイルとなると思いの外その距離が長く感じる。

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山に入ったとたん各チームがCPを見つけるに大苦戦。いろんな所でさまよう他のチームと出くわす。「CP13はもう見つけましたか?」、お互いそんな切実で情けない質問もしてみたり(苦笑) こんな低山でもそれなりにロードやバイクで走り回ってきた体にはきつい登り。ここは写真撮影でCPをゲット。

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アルプスや百名山とは違い、里山のような愛川近郊の山はとにかく道標が少ない。うっかり見逃すような登山口があって、大きくタイムロス。同時に体力を無駄に消費してしまう。

今回ジオライダーズ最大のライバル?、同じ白山ジオトレイルを完走した3人の「チームとりけも」と山で合流。白山ジオトレイル250km第2位の高坂さん率いるOMMなどロゲのベテランメンバー。3人ともお尻が泥だらけ。登山道を外れ、ショートカット狙いの道無き道を行っているようだ。さすがだ…(^_^;

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今回最大の難所で、山岳ステージの最終CP16。ここからバイクを置いた所まで戻らなければいけないのだが、直線距離にしたら元来たトレイル経由が近いが険しい。逆にここのCP近くのゴルフ場を巻いて行くと、距離は遠いが、道は平坦でロードも多い。果たしてどちらが良いのか…、我らジオライダーズは前者を選択。川沿いの谷道から強引に尾根へ登る。

ちなみにこの時点でジオライダーズはなんと5位。かなりの上位にいる。

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(ススキのトレイルを疾走するケンさん)

急登で木を掴みながら這い上がる中、突然ケンさんが掴んでいた木が抜け、2~3m滑落して背中から川に転落。2人は初めて見る事故的な修羅場に呆然。ひょっとして大事故?死んだ?などとマジで一瞬頭をよぎるが、着用していたヘルメットと、ザックのおかげでケンさんは無事。「死んだふりしようかなw」などとジョークも。でも真冬の川の中なのでそんなボケは不可能(笑) アキヤマさん「少し休みましょうか?」、ケンさん「いや、濡れて寒いから動き続けよう」、もっともな話だw。とにかく、大事に至らずほっとした。百戦錬磨のケンさんはタフなのだ。

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山岳ステージでかなりの体力を消耗して、ペースががくんと落ちてしまったが、なんとかバイク置き場にたどり着き、再びバイクで後半ステージのCPを目指す3人のショット。

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CPのある愛川の小高い山から見える景色は絶景だ。のどかな田舎の風景と自然が眼下に広がり、遠くには横浜など大都会のビル群が。そのコントラストが見事だ。また、この辺りの上空は旅客機の航路と見えて、冬の澄んだ青空の中ひっきりになしに飛行機が通過している。また、厚木基地が近くにあるので、戦闘機が轟音をたてて飛んでいる。自分の滋賀県は近くに自衛隊や米軍の航空基地は無いので、その音にはちょっとした恐ろしい感覚を覚える。

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CPを見つけるのには苦労しつつも、ほとんどのクイズはなんとか導き出せたが、なんと1つだけ映画「アナと雪の女王」の問題が。えっ!?(゜Д゜)愛川と関係無いぞ! 一同「……」 「ケンさん、アキヤマさん、この映画見ました?」、しーん…「いいや、見てない」、自分も。おっさん3人はそんな映画見たこと無い。あぁ、”レリゴー”の歌のやつでしょ。そのくらいのレベルw 問題は女王様が逃げ込んだ場所はどこでしょう?という3択問題。雪というくらいだから山でしょうということで、「山」を選択。(どうやら正解だったらしい)

アドベンチャーレースは3人の内女性1人を加えるなどの既定があったりするが、なるほど、女性が1人いる方がこういう時は頼りになる。おっさん3人ではどうすることもできないこともあるなと痛感したw

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後半最大の山場がここ服部牧場(CP20)。チームチャレンジで、5つほどのフォトロゲを要求される。例えば今年の干支を撮影してこい!とか、シマウマを見つけてこいとか。これがけっこう大変で時間を要する。(それぞれ1つ見つけるごとにタイム短縮のボーナスをもらえる)。でも、動物たちと間近に触れ合い、精神的な癒やしもゲット。

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今回の愛川アドベンチャーでは、CPの他に、町のグルメポイントもチェックしてあり(レース順位には関係は無い)、グルメも楽しめるんだけど、今までそんな余裕も無く立ち寄る事はできなかったが、ここ服部牧場の園内には売店が有り、ジェラートやホットドックを買い食い。疲れた体に感動のうまさ。ホットドックのソーセージは初めて経験するようなふわふわな食感にびっくり!パンもうまい。そして、やはり最高のビールという名の燃料補給。ドイツビールが2種類あって、一つはおなじみのベックス。もう一つは飲んだ事が無いエク28。これがまたうまい! すっきりなベックスとは対照的に、豊潤で濃厚。ゴールしてからも顔が赤かったのはなるほど、アルコール度数が11%も。自分好みだ。また探して買いに行こう。

無事牧場で全ての課題をクリアした頃には日没時間、気温も下がり、いよいよナイトセクションへ。ヘッドライトの準備を。特にバイクは体が冷えるので、防寒対策でインナーを着込む。制限時間は18時。牧場の時点で既に17時。あとCPは2つ残されている。これは間に合うのか…。

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辺りは暗くなり、寒さと疲労で前半のように入念に地図を見なくなってしまっていた。そのせいで、市街地なのに前半のようにスムーズにCPを見つけられず、ただでさえ時間がせまっているのにロストして時間を無駄に消費する。犬を散歩させていた地元のおじさんに地図を見せてアドバイスをもらうも、反対方向に行ってしまったり、もうグダグダ…。

寒くて疲れて、早く帰りたい、あと2つもCPはもう無理だと半ばあきらめていた中、CP21をたまたま通った道の脇にヘッドライトに照らされた白いプレートを発見!再びテンションが上がる。その勢いで最後のCP22も発見。よっしゃ!あと30分。もう地図上では川沿いの道をひたすらバイクでぶっ飛ばせばゴール会場の河川敷にたどり着く。目処が立った。

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真っ暗闇のゴール会場はあちこちで焚き火をたいて既にゴールした選手達が囲んでいる。ライトを点灯して制限時間15分前にたどり着いた我らジオライダーズを他の選手達が「おつかれさま!」と激励してくれた。まさに感動。でも、全てのチェックポイントを回れたうれしさと、遅くにゴールして、順的には下位なんだろうという残念な気持ちが交差する。

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スタッフの方々が温かい豚汁とお餅を用意してくれた。当たり前だが最高にうまい。焚き火が温かい。

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楽しいことはあっという間に過ぎる。いろいろあったけど、本当に楽しかった。勝手にライバル視していた「チームとりけも」は先にゴールしていた。ていうか余裕の感じ。前半は5位辺りで、チームとりけもと合流して行動を共にすることもあったのだけど、後半一気に突き放されたようだ。

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表彰式。白山ジオ仲間のチームとりけもは2位の快挙。おめでとう!サスケさんから表彰状の進呈。最後はサスケさんの労をねぎらい、すばらしい第1回大会を称え感謝しつつ記念撮影。

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我らジオライダーズは下位に沈んだと思っていたが、後日集計されて正確な順位が発表されたが、なんと10位だった(29チーム中)。初めてなのになかなかの好成績。時間はかかったが、全てのCPをゲットして、正解率も高かったのだと思われる。

本当にいろいろあったけど楽しかった。自分の地図読みに関しても、自信がついたところもあれば、課題も分かり、いろんな意味で収穫だった。

アドベンチャーレースは気軽に誰でも参加して楽しめるイベントではあるけど、思ったよりハードで、順位を狙うのであれば、ロード走、トレランの走力どちらも必要とされ、さらに地図読み、冷静な判断力などいろんなスキルを必要とされる。かなり体力が必要でかつ高度なスポーツだと痛感した。第1回愛川アドベンチャーレースも、最初は夕方までには余裕でゴールできるだろうと高をくくっていたが大きな間違いで、ウルトラトレイル並みの運動量で消耗した。とにかく、自分にとっては新しいドアを開いたすばらしい体験をさせていただいた。

主催者のサスケさんを始め、大会関係者や愛川町の皆さんに心よりお礼申し上げたい。愛川のすばらしい町と山を楽しませていただいた。来年もぜひ参加したい。